泌尿器科

Original Update by Dr.Farouk

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紹介文

 地域に根差した中核病院として、当科は先端医療から末期医療までの幅広い分野で、常に患者さまの立場に立ち優しい医療になるよう心がけています。
 高齢化社会を迎え、前立腺肥大症、前立腺癌といった高齢者特有の疾患を抱える泌尿器科の需要は今後さらに増加すると考えられます。当科では体にやさしい低侵襲治療として副腎腫瘍、腎癌、前立腺癌、膀胱癌に対しては傷が小さく、早期の社会復帰が可能となる腹腔鏡手術を積極的に行っております。特に前立腺癌の手術はロボット支援下に行っております。
 また尿路結石症に対しては出血が少なく、合併症が少ないレーザーを使用した内視鏡的手技を用いることにより、患者さまへの負担を軽減するよう努めております。手術件数も年々確実に増えております。
 一方、癌終末期の緩和医療にも真剣に取り組み、治癒の見込みがない場合でも、穏やかな最期を迎えて頂けるよう、癌患者さまの苦痛を積極的に取り除き、ご家族とともに安らかな時を過ごす事ができるよう緩和ケアにも力を入れております。

こんな症状の場合は・・・


① 血尿

検診などで、尿潜血陽性といわれた場合、見た目が血尿でなければ顕微鏡的血尿か偽陽性の可能性があります。
詳しい尿検査で顕微鏡的血尿と診断された場合、その原因として1)感染、2)結石、3)悪性、4)腎炎、5)その他の可能性を考え、超音波検査を行い診断します。必要に応じて、レントゲン、尿細胞診、造影検査などを追加で行う場合もあります。一番重要なことは、悪性腫瘍を見逃さないことですが、顕微鏡的血尿で悪性腫瘍が見つかる確率は5%以下です。また、多くの場合は特発性血尿(原因不明)です。ただし、しっかり調べることは重要ですので一度は受診をお勧めします。
 目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)がでた場合は、1)結石、2)出血性膀胱炎、3)膀胱癌などが疑われます。特に、腰背部痛や下腹部痛も伴う場合は結石が、頻尿・残尿感を伴う場合は出血性膀胱炎が疑われます。症状がない血尿(無症候性肉眼的血尿)は要注意です。膀胱癌が見つかる場合がありますので、血尿が改善しても必ず受診することをお勧めします。


② 排尿困難

男性では尿が出にくい症状があれば前立腺肥大症の可能性があります。
前立腺肥大症は男性に多く、60歳を過ぎると2人に1人は前立腺肥大があるといわれています。症状は、頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感などの蓄尿障害と、尿が出にくい、切れがわるいなどの排尿障害があります。まずは、尿検査、超音波検査、直腸診を行い、感染・結石などを除外します。また、前立腺癌の合併を判断するためにPSA検査を行います。
前立腺肥大症と診断された場合でも、困っていなければ治療をするとは限りません。前立腺肥大は年齢の変化でもあり病気ではありません。あくまで、生活の質(QOL)を害して治療を望まれる場合には、主に内服薬で治療します。内服薬で症状が改善しないようであれば手術も考慮します。
女性では神経因性膀胱や骨盤臓器脱などの可能性があります。
神経因性膀胱は脳脊髄神経の障害(脳梗塞、脊柱管狭窄症など)や骨盤の手術(子宮や直腸の手術)を行った場合に起こりえます。骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱など)は骨盤底の組織(筋肉や靭帯)の脆弱化により起こります。


③ 尿意切迫、頻尿、尿失禁

日で急に症状がでた場合は膀胱炎の可能性があります。
ただし、週、月単位、場合によっては数年来の症状であれば、過活動膀胱かもしれません。過活動膀胱は女性に多く、70歳を過ぎると3-4人に1人が症状を持っているといわれています。尿意切迫感を伴う頻尿がある場合、膀胱炎や結石、がんなどが除外された場合に、症状の症候群として過活動膀胱とよばれます。膀胱が敏感になるために症状が起き、決して病気ではありません。ただし、生活の質(QOL)を害する場合には、治療が必要になります。(投薬)
また尿もれを伴っている場合は、過活動膀胱による尿もれ(切迫性尿失禁)以外に、咳やくしゃみ・力を入れたときに漏れてしまう腹圧性尿失禁があります。腹圧性尿失禁では有効な治療法(手術)があります。
他に男性の場合は前立腺肥大症が隠れている場合もあります


④ PSA値が高い

PSA(前立腺特異抗原)は前立腺からのみ産生されるタンパク質で、正常前立腺からもつくられますが、前立腺癌でより産生されやすいため、前立腺癌の早期発見に有効な検査です。ただし、前立腺が大きい場合(前立腺肥大症)や炎症(前立腺炎)、加齢、機械的圧迫(自転車・バイクなど)などでも、見かけ上PSAが上がることがあります。
PSAが高いからと言って、前立腺癌とは限らないことに注意が必要です。またPSAが高くても、前立腺癌でなければ、悪い物質ではないのでPSA値を下げる治療は必要ありません。
ただPSA値だけでは前立腺癌の確定診断をつけることはできないため前立腺生検が必要になります
PSAが高いと言われた時は一度専門医(泌尿器科)へご相談ください


前立腺生検(経会陰式前立腺生検)

PSAが高いなど前立腺癌が疑われる場合に行います。下図のように肛門よりエコーを挿入して会陰より前立腺に針を刺して組織を採取します。(通常は12本採取します)当院では2泊3日の入院を必要としますが麻酔下で施行しており痛みなく行うことができます。






当院での治療


① 前立腺癌:ホルモン療法、手術療法(ロボット手術)、放射線療法(原体照射)
② 膀胱癌:手術療法(経尿道的手術、膀胱全摘術(開腹手術、腹腔鏡手術))膀胱内注入療法 化学療法
③ 腎癌:手術療法(腹腔鏡手術) 薬物療法(インターフェロン、分子標的治療薬)
④ 精巣癌:手術療法 化学療法
⑤ 副腎腫瘍:手術療法(開腹手術、腹腔鏡手術
⑥ 前立腺肥大症:薬物療法、手術療法(TUR-P)
⑦ 尿路結石:手術療法(ESWL、fTUL) 薬物療法
⑧ 骨盤臓器脱:保存的治療(骨盤底筋体操、リングペッサリー)手術療法(経膣手術(TVM手術)腹腔鏡手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)
⑨ 腹圧性尿失禁:骨盤底筋体操、薬物療法、手術療法(尿失禁防止術)


当院での手術療法


ロボット手術

前立腺癌の手術において2012年4月よりロボット支援下手術が保険適応となりました。従来の開腹手術では出血量が多いことが問題であり、腹腔鏡手術では出血量は格段に減少しますが開腹手術より手術時間が長くなり、膀胱と尿道をつなげることが難しく高度な技術が必要とされております。この二つの手術の欠点を補う手術法としてロボット支援手術が行われるようになりました。基本的には腹腔鏡手術と同じですが執刀医がコンソールと呼ばれる機械からロボットにつけた鉗子を自由自在に動かして手術を行います。手術成績(癌のコントロール)は従来の手術方法と比較して同等と言われております。この手術の特徴は執刀医が手術の際に見る画面が3Dで(腹腔鏡手術では2D画面)、視野も10倍まで拡大することができ、鉗子の動きも細密(手ぶれ防止機能)で鉗子の自由度が高いためきめ細やかで正確な手術を施行することができることにあります。気腹下拡大視野での手術のため出血を極力抑えることができ、輸血する可能性が低く抑えることができます。(3~5%程度)その他の特徴として傷が小さいため術後の痛みが少なく回復が早く、尿失禁の改善が早い、男性機能温存に優れていると言われています。欠点として長時間の頭低位手術となるため脳圧や眼圧が上昇しやすくなり重度の閉塞隅角緑内障のある方、クモ膜下出血や未破裂脳動脈瘤のある方はロボット手術を受けることはできません。また触覚がないため思わぬ合併症をきたす可能性(臓器、血管損傷など)があります。当院では2014年2月末よりロボット支援下前立腺癌手術を導入し2017年10月末現在218例行っております






経尿道的手術

膀胱腫瘍や前立腺肥大症に対しては、経尿道的に径9㎜の内視鏡を挿入して、膀胱内を灌流しながら、ループ状の電気メスを用いて切除を行います。世界中で一般的に行われている手術であり、膀胱腫瘍の場合には、切除した腫瘍を後日病理検査し、診断(悪性かどうか、進行度はどうか?など)を行うため、診断と治療を兼ねた手術となります。特に急ぐ場合や炎症を繰り返した前立腺肥大症では本手術をお勧めします。術翌日からは歩行・食事可能です。術後約3日間尿道カテーテルを留置します。尿道カテーテルが抜けて、排尿症状や血尿が問題なければ退院となります。


腹腔鏡手術(副腎、腎、骨盤臓器脱)

腹腔鏡手術は、体に1-2㎝の創を約4-5か所開け、専用の鉗子を挿入して手術する方法です。手術後に臓器を取り出す場合に最小限の切開を広げますが、筋や神経はほとんど傷つかないため術後の痛みも通常の開腹手術を比較して少ないと言われております。内視鏡で拡大した体内をモニターで見ながら手術をするため、より繊細な手術が可能であり、体の負担が少なく、傷の小さい手術です。
腎癌に対しても可能な限り腎を温存するため積極的に部分切除も行っております。(一部、ロボット支援下手術も開始しております。)
欠点は、癒着でおなかが膨らまない場合や、出血で視界が悪い場合には視野・空間が十分にとれず、腹腔鏡手術の継続が困難な場合があります。状況に応じて開腹手術に切り替える場合があります。
当院では腎癌手術(腎摘、腎部分切除)、副腎、骨盤臓器脱に対しこの手術を行っております。


レーザー手術(fTUL)


レーザー尿管結石砕石手術(fTUL)

レーザーは出力を調節し、粘膜を傷つけにくく、結石を細かく割ることにすぐれています。また屈曲する内視鏡(軟性尿管鏡)にも使用できるので、内視鏡手術が難しかった上部尿管の結石でも砕石可能になりました。
結石は自然に排石できる大きさ(2㎜以下)まで砕石することを目標に行います。                     
術後は炎症による尿管狭窄の予防のため尿管カテーテルを留置します。通常は1-2日で抜去しますが、尿管の傷の程度により2週から1か月ほど留置する場合があります。この場合は外来で抜去します。


女性骨盤底疾患手術(骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁)

当院では女性に特有の疾患である骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁に対しても手術を行っております。
骨盤臓器脱とは骨盤底筋群の脆弱化により骨盤内の臓器が落ちてくる疾患の総称であり骨盤底で一番強度の弱い部分である膣より脱出してきます。落ちてくるものによって膀胱瘤、子宮脱、膣脱、小腸瘤、直腸瘤と呼ばれます。症状として会陰部違和感、排尿困難、頻尿、便秘などがあります。すべての症例で治療が必要になるわけではありませんが生活の質(QOL)を害する場合や腎機能悪化などを起こす場合は治療が必要となります。治療法として骨盤底筋体操、リングペッサリー挿入などの保存的治療と手術療法があります。保存的治療は姑息的治療であり完治することはありません。根治治療としては手術が唯一の方法となっております。当院では経膣的手術(TVM手術)、腹腔鏡手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)両方を行っております。どちらの手術もすべての骨盤臓器脱に対し行うことができます。この治療法は従来の手術(膣壁形成術)と比較して5年の再発が10%程度と再発が低いのが特徴です。(従来の手術では40-50%の再発があると言われております)
腹圧性尿失禁は骨盤底の脆弱化により生じ、咳をしたり重い物を持ったりしたときに尿が漏れる状態のことを言います。治療として薬物療法の他に手術療法(尿失禁防止術)を行っております。



泌尿器科の業績(がんセンター業績集より抜粋)

当院のがんセンター業績集(2005年~2014年)から、泌尿器科の業績を抜粋します。

閲覧


診療実績

年度平成23年平成24年平成25年平成26年
鏡視下手術*
18件
23件
21件
34件
ロボット支援下手術
50件
膀胱全摘除術
5件
8件
4件
4件
前立腺レーザー核出術
31件
37件
46件
31件
軟性鏡下レーザー砕石術
21件
25件
46件
57件
骨盤臓器脱手術(内腹腔鏡手術)
1件
25件(6件)

*:副腎摘除術、根治的腎摘出術、腎・尿管摘除術、骨盤臓器脱修復術など

医師紹介 (医長以上)

部長 土屋 ふとし(つちや ふとし)

出身大学

横浜市立大学

専門分野

泌尿器科領域癌一般

専門医・認定医・指導医

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本臨床腫瘍学会 暫定指導医

副部長 村上 貴之(むらかみ たかゆき)

出身大学

横浜市立大学

専門分野

泌尿器科癌一般
女性泌尿器科

専門医・認定医・指導医

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

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