検査部

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検査部について

当院は、24時間365日、地域医療を支える中核病院として、全国屈指の救急車受け入れ台数(年間約1万台)を誇る救急外来を有しています。昼夜を問わず患者さんが救急外来に搬送されており、検査部もさまざまな検査に24時間体制で対応し、救急医療に従事しています。

また、当院は全国でも有数の心臓カテーテル治療件数を誇っています。
前身の横浜赤十字病院時代には日本で初めてカテーテルアブレーションを行った施設でもあり、その当時から検査技師が治療に関わるという特色を持っています。

検査部は他職種との関わりも多く、ICTやNST、ハートチームといったチーム医療、カテーテル室や外来への出張検査といった診療支援などを積極的に行っており、臨床の一翼を担っています。

学術関係にも力を入れており、研修会や研究会への参加はもちろん、学術発表も多数行っており、最新の医療情勢を把握し、臨床貢献できるように日々研鑽しています。

資格取得状況

 

超音波検査士(循環器科・消化器科・泌尿器科・体表)
認定輸血検査技師
認定臨床微生物検査技師
感染制御認定臨床微生物検査技師
細胞検査士
国際細胞検査士
心血管インターベンション技師
植込み型心臓デバイス認定士
臨床工学技士
JHRS認定心電図専門士
日本糖尿病療養指導士
NST専門療法士
日本臨床神経生理学会専門技師(脳波分野、筋電図・神経伝導分野)
日本乳がん検診精度管理中央機構講習受講
日本聴覚医学会聴力測定技術講習会中級合格
緊急臨床検査士
二級臨床検査士(循環生理学・神経生理学・血液学・病理学・微生物学・臨床化学)
遺伝子分析化学認定士
毒物劇物取扱責任者
特定化学物質・四アルキル鉛作業主任者
有機溶剤作業主任者

生理検査

 当院の生理検査は多くの検査を行っています。心電図や肺機能、脳波、神経伝導速度、超音波などは検査室で施行しています。また、検査技師が耳鼻科やアレルギーセンターなどの外来診療科に出張して行う検査もあります。他には、小児科病棟での新生児の聴力検査、心臓カテーテル室での医師の補助、手術室では術中の脳波・神経検査やTAVIの補助などを行っています。

 生理検査室では、1人の技師が多数の検査業務を習得し、ジェネラリストとして業務を行っています。各領域で学んだ知識・技術を活かして、多角的に患者や疾患と向き合うことができる利点があります。しかし、広く浅くではなく、それぞれの専門性も高めつつ、「広く、深く」を目標として業務を行っています。

血液検査

 私達の身体に流れている血液中の細胞は、骨の内部にある骨髄で造られて末梢へと送り出され、主に殺菌(白血球)、酸素運搬(赤血球)、止血(血小板)の役割を果たします。これらの細胞がどのくらい存在しているかを調べる検査を「血球数算定(血算)」と言い、また、白血球においては更に細かく機能の異なる血球に分類し、その割合を調べる検査を「血液像」と言います。

 血液検査室ではまず、採血された検体の血算・血液像を分析機にかけて測定します。その結果で、検査技師による目視鏡検が必要な検体は、異常な細胞が出現していないか確認をしています。

 異常が見つかった場合は迅速に担当医へ報告し、必要に応じて骨髄穿刺によって採取された骨髄を調べる事になります。骨髄穿刺時には検査技師がベッドサイドにて迅速に標本作製を行い、検査室にて細胞の数の増減はどうか、異常な細胞が増加していないかをチェックしています。最終的には担当医が顕微鏡で観察・分類する他、染色体・遺伝子の異常や細胞表面マーカー等について検索します。これにより、白血病や貧血、癌の転移など様々な病態の診断に結びつきます。

輸血検査

 輸血部門では適正な輸血療法を行うため検査技師が24時間体制で輸血検査と血液製剤の一元管理を実施しています。当院は緊急輸血や大量輸血が多く、救命のため医師の指示に従い、迅速な血液製剤の払い出しのシステムを構築しています。

 血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験を自動分析器で行い、安全な輸血を行うため、患者適合血液製剤を支給するだけでなく、輸血後の副作用の有無を確認しています。

 善意の献血で製造された日本赤十字社の輸血用血液製剤を無駄なく使用するため、温度管理と製剤数のモニタリングを徹底しています。

細菌検査

 当院の細菌検査室が担っている役割は大きく分けて2つあります。

 1つは、感染症診療において重要な病原菌の培養と抗菌薬の効果判定です。細菌検査室には患者さんから採取された血液・尿・喀痰・膿など様々な検体が提出されます。それらを培養すると同時に塗抹標本を作成し、染色後顕微鏡下で観察を行うことで感染症の原因微生物を迅速に推定しています。その後、発育した菌を同定し、その菌に対してどの抗菌薬が有効であるか検査しています。検査結果が適切な抗菌薬の選択に直結するため、細菌検査は感染症を治療する上で不可欠な検査のひとつです。その他、抗酸菌(結核菌など)の塗抹検査や迅速抗原検査にも対応しています。

 もう1つは医療関連感染対策に関した業務です。近年、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌の出現が世界的な問題となっており、病院でのアウトブレイクを未然に防ぐための取り組みが重要視されています。細菌検査担当技師は院内の感染対策チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)に参画し、検出菌のモニタリングを行い、感染症専門医や感染管理看護師と連携を密にとりながら情報を発信しています。

緊急検査室

 緊急検査室では、生化学検査、免疫検査、凝固検査、血糖・ヘモグロビンA1C検査、尿一般検査、便検査をBMLが担当しています。

 血液中の糖、タンパク、酵素などの成分を測定することによって、肝臓や腎臓、膵臓などの機能を調べたり、尿中の糖、タンパクなどの値や細胞に異常がないかを検査しています。

 当院がこれまで築いてきた運用に加え、BMLのノウハウを結集し、医師及び患者さんへ正確なデータを迅速に報告するように努めています。個々のデータをただ見るだけではなく、各種データを見比べて、気になる点があれば医師へ連絡をする体制を構築しています。
医療スタッフの一員として業務にあたることを念頭に置き、新しい知識や技術の習得のため外部研修会等に参加し日々研鑽を積んでいます。

感染対策チーム(ICT)

 院内で起こる様々な感染症から患者・家族、そして職員を守るために、医師・検査技師・薬剤師・看護師・事務職員などの職種で構成され、それぞれの専門的知識と経験を持ち寄って、実動部隊として横断的に病院全体の感染対策活動に取り組んでおります。

 検査技師の主な役割は、院内感染防止対策マニュアルの作成と改訂、院内感染症発生状況のサーベイランス、病棟ラウンド、薬剤耐性菌の察知と発信、アウトブレイクや感染症発生時の対応、院内感染対策に関する職員教育と研修会企画運営などがあります。

 病院内での感染症が拡大しない様、日々感染対策活動に取り組んでおります。

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

 感染症の治療や予防を目的として抗菌薬が使用されます。抗菌薬の不適切使用や不必要な長期間投与が薬剤耐性菌を生む原因のひとつとされています。そこで医師・薬剤師・看護師らと共に、抗菌薬の使用を適切に管理・支援する為に活動を行っています。

 検査技師の主な役割は、血液培養検査の迅速な報告による診療支援、血液培養複数セット採取率のモニタリング、アンチバイオグラムの作成などがあります。

栄養サポートチーム(NST)

 NSTとは患者の治療および健康状態を栄養面から把握し、最良の栄養療法を提供するために多職種で構成された医療チームです。

 臨床検査技師は毎週、低栄養状態入院患者(Alb:3.0g/dl以下、CRP:2.0㎎/dl以下)の検査データの抽出・専従管理栄養士へ抽出リストの送信を行い、条件設定による電子カルテ上のスクリーニングを担っております。

 毎週1回のカンファレンスと病棟回診時には問題症例の検査データの解析をし、適切な検査について助言をするとともに、年に数回行われる院内NST勉強会を通じて栄養評価に必要な検査データの読み方や栄養評価に関する検査の情報提供も行っています。

糖尿病サポートチーム


外部向け糖尿病講習会の様子

 糖尿病は、「検査と教育の病気」と言われ、終生自己管理が求められます。臨床検査技師は年に数回行われる外部向け糖尿病講習会や職員向け院内糖尿病勉強会を通して、糖尿病の検査の意義と結果の読み方に関する情報提供を行っております。また、外来患者の待ち時間を利用して、個別の検査結果の説明や検査値の読み方についての説明など依頼に応じ適宜行っております。今後は糖尿病教育入院患者の講義にも参画し、糖尿病サポートチームの更なる一端を担えればと考えております。

ハートチーム

 当院において経皮大動脈弁植込術(TAVI)が2019年8月にスタートしました。

 第一例目の実施に先立つこと4ヶ月、心臓血管外科が中心となりハートチームが創設されました。メンバーは心臓血管外科医をはじめ循環器内科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師、そして我々臨床検査技師も招集されました。当初はTAVIの勉強会や他施設への見学を行いメンバーのTAVIに対する認識の共有化を図り、次の段階ではドライランを繰り返し行い問題点の洗い出しと運用方法の改善を行い、治療が安全に行えるよう準備し、本番を迎えました。

 ハートチームでの臨床検査技師の役割は二つあります。

 第一は大動脈弁狭窄症の重症度評価とTAVI適応の評価です。これらの評価は正確な心エコーデータがあってこそ正しく評価できるものです。

 第二は循環器内科医が行う術中経食道心エコーの介助です。術中経食道心エコーは術中合併症の発見に必要不可欠です。

 我々、臨床検査技師は正確な心エコーデータと術中合併症の早期発見。この二本柱でハートチームの一翼を担って行きたいと考えています。

検査実績

 
部門 項目 2017年度 2018年度 2019年度
 検体検査(ブランチ) 一般 94,654 106,154 108,035
生化学 1,951,966 2,139,781 2,111,310
 血液検査 血算 240,395 256,956 256,396
 細菌検査 細菌 21,214 22,343 21,110
 生理検査 心電図 33,072 34,853 33,949
脳波 698 800 712
超音波 20,101 21,230 21,083
心カテ 1,740 1,969 1,844
 病理検査 組織診断 6,922 7,077 7,384
細胞診断 4,887 5,044 4,929
 輸血検査 交差試験 4,007 4,538 4,156
 

学術実績

2019年度

学術発表 演題名 学会名
心エコーが診断の一助を担った急速進行性心サルコイドーシス症例 第44回日本超音波検査学会学術集会
クライオバルーンアブレーション後に外科的閉鎖術を施行した医原性心房中隔欠損の1例 第68回日本医学検査学会
酵素法の実施によりE抗原陽性血の輸血が回避された1例 第67回日本輸血・細胞治療学会学術総会
心室中隔穿孔の閉鎖術後早期に新規の心室中隔穿孔を発症した1例 第22回日赤検査学術大会
心房細動でのST-T変化と心筋障害の関係について 第66回日本不整脈心電学会学術大会
発作性心房細動に対するHeartLight内視鏡アブレーション開始直後に迷走神経反射が誘発された1例 第8回日本EPアブレーション技術研究会
その他 シンポジウム「アブレーションビデオライブ「のぞき見!他施設の心房細動アブレーション」」 近畿心血管治療ジョイントライブ2019
学術発表 心エコーが診断の一助を担った急速進行性心サルコイドーシス症例 第44回日本超音波検査学会学術集会
クライオバルーンアブレーション後に外科的閉鎖術を施行した医原性心房中隔欠損の1例 第68回日本医学検査学会
酵素法の実施によりE抗原陽性血の輸血が回避された1例 第67回日本輸血・細胞治療学会学術総会
心室中隔穿孔の閉鎖術後早期に新規の心室中隔穿孔を発症した1例 第22回日赤検査学術大会
心房細動でのST-T変化と心筋障害の関係について 第66回日本不整脈心電学会学術大会
発作性心房細動に対するHeartLight内視鏡アブレーション開始直後に迷走神経反射が誘発された1例 第8回日本EPアブレーション技術研究会
その他 シンポジウム「アブレーションビデオライブ「のぞき見!他施設の心房細動アブレーション」」 近畿心血管治療ジョイントライブ2019

2018年度

学術発表 演題名 学会名
大動脈弁狭窄進行速度の指標としての心臓足首血管指標(CAVI)の可能性 第67回日本医学検査学会
左側臥位による右腎の遊走性が腹痛の原因と診断できた1例 第43回日本超音波検査学会学術集会
心電図ストレインT波の心機能への影響 関甲信支部・首都圏支部医学検査学会(第55回)
胸腔内洗浄液中に腫瘍細胞が出現した再発性肺髄膜腫の一例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
子宮体部Mesonephric-like adenocarcinomaの1例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
EUS-FNA検体中で神経内分泌細胞腫瘍との鑑別に苦慮したsolid-pseudopapillary neoplasm(SPN)の2例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
高感度トロポニンI陽性患者における胸部症状の重要性の検討 第83回日本循環器学会学術集会
論文 タイトル 掲載雑誌
壁運動異常のない若年で左室内血栓を合併したネフローゼ症候群の1例 日赤検査 51(1):24-27,2018.
疣腫との鑑別に苦慮した偏側性乳頭筋肥大の1症例 神奈川県臨床検査技師会雑誌 53(170):13-16,2018.
学術発表 大動脈弁狭窄進行速度の指標としての心臓足首血管指標(CAVI)の可能性 第67回日本医学検査学会
左側臥位による右腎の遊走性が腹痛の原因と診断できた1例 第43回日本超音波検査学会学術集会
心電図ストレインT波の心機能への影響 関甲信支部・首都圏支部医学検査学会(第55回)
胸腔内洗浄液中に腫瘍細胞が出現した再発性肺髄膜腫の一例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
子宮体部Mesonephric-like adenocarcinomaの1例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
EUS-FNA検体中で神経内分泌細胞腫瘍との鑑別に苦慮したsolid-pseudopapillary neoplasm(SPN)の2例 第57回日本臨床細胞学会秋季大会
高感度トロポニンI陽性患者における胸部症状の重要性の検討 第83回日本循環器学会学術集会
論文 壁運動異常のない若年で左室内血栓を合併したネフローゼ症候群の1例 日赤検査 51(1):24-27,2018.
疣腫との鑑別に苦慮した偏側性乳頭筋肥大の1症例 神奈川県臨床検査技師会雑誌 53(170):13-16,2018.

2017年度

学術発表 演題名 学会名
当院で経験した子宮頚部原発神経内分泌腫瘍の2例 第58回日本臨床細胞学会総会
AVNRTに対するCryoablationの治療効果・安全性の評価 第6回日本EP・アブレーション技術研究会
左室内異常構造物を疣腫と誤認した偏側性乳頭筋肥大の1症例 第54回関甲信支部・首都圏支部医学検査学会
EBウイルス感染による伝染性単核球症で著名な胆嚢壁の肥厚を認めた1例 第21回日赤検査学術大会
診療密度向上に向けた検査部の取り組み 第21回日赤検査学術大会
心雑音を契機に経胸壁心エコーで確定診断に至った心室中隔穿孔の2症例 第21回日赤検査学術大会
主要成分の組織型推定に困難を感じた子宮体部原発肉腫の一例 第56回日本臨床細胞学会秋季大会
急性冠症候群と急性大動脈症候群による心停止患者の臨床的特徴の比較検討 第82回日本循環器学会学術集会
高感度トロポニンI陽性かつCK-MB陰性の救急外来患者の臨床的特徴の検討 第82回日本循環器学会学術集会
論文 タイトル 掲載雑誌
クライオバルーンアブレーション時におけるCMAPの電極位置に関する検討 医学検査 66(3):184-190,2017.
その他
シンポジウム「クライオアブレーションの現状と今後の展望について」 カテーテルアブレーション関連秋季大会2017
座長「心臓電気生理学」 JHRS/APHRS(日本/アジア太平洋不整脈心電学会)
シンポジウム「発作性心房細動アブレーション治療の選択 クライオアブレーションによる肺静脈隔離術」 JHRS/APHRS(日本/アジア太平洋不整脈心電学会)
学術発表 当院で経験した子宮頚部原発神経内分泌腫瘍の2例 第58回日本臨床細胞学会総会
AVNRTに対するCryoablationの治療効果・安全性の評価 第6回日本EP・アブレーション技術研究会
左室内異常構造物を疣腫と誤認した偏側性乳頭筋肥大の1症例 第54回関甲信支部・首都圏支部医学検査学会
EBウイルス感染による伝染性単核球症で著名な胆嚢壁の肥厚を認めた1例 第21回日赤検査学術大会
診療密度向上に向けた検査部の取り組み 第21回日赤検査学術大会
心雑音を契機に経胸壁心エコーで確定診断に至った心室中隔穿孔の2症例 第21回日赤検査学術大会
主要成分の組織型推定に困難を感じた子宮体部原発肉腫の一例 第56回日本臨床細胞学会秋季大会
急性冠症候群と急性大動脈症候群による心停止患者の臨床的特徴の比較検討 第82回日本循環器学会学術集会
高感度トロポニンI陽性かつCK-MB陰性の救急外来患者の臨床的特徴の検討 第82回日本循環器学会学術集会
論文 クライオバルーンアブレーション時におけるCMAPの電極位置に関する検討 医学検査 66(3):184-190,2017.
その他 シンポジウム「クライオアブレーションの現状と今後の展望について」 カテーテルアブレーション関連秋季大会2017
座長「心臓電気生理学」 JHRS/APHRS(日本/アジア太平洋不整脈心電学会)
シンポジウム「発作性心房細動アブレーション治療の選択 クライオアブレーションによる肺静脈隔離術」 JHRS/APHRS(日本/アジア太平洋不整脈心電学会)

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