神奈川県横浜市の臨床研修・専門研修病院

初期臨床研修プログラム

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臨床教育研修センター長
リウマチ科(膠原病リウマチ科)部長
萩山 裕之

神奈川県横浜市には有名な臨床研修病院があまたあるなか、当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。
当院の臨床研修の魅力の一つは、全国トップレベルの救急医療です。「断らない救急」を合言葉に、年間1万台を超える救急車とともに多くの直接来院患者を受け入れ、重症度、患者背景など実に多様な症例を経験することが可能です。さらに、多数の内科系・外科系を含む診療科(標榜診療科33科)を擁し、将来を見据え様々な診療科で研修することができます。また、内科、外科、整形外科、救急科、麻酔科は専門研修プログラムの基幹施設となっており、臨床研修からのシームレスな移行も可能です。
指導医陣は、日々の診療においては研修医の主体性を大事にした指導を行うとともに、各種セミナーにおいては講義や研修医の発表指導を通じて研修医の成長を援助するなど、非常に教育的です。
さらに、臨床教育研修センターでは、研修医の主体性を重視したモーニングセミナーをはじめとする各種セミナーをバックアップするとともに、優れた指導医を育成するため臨床研修指導医養成講習会やFaculty Developmentセミナーを企画しています。
こういった環境で学んでいただくことで、最終的に当院の理念でもある、患者中心の良質な医療を提供しうる医師に近づいていただければと考えています。当院での臨床研修にご興味をお持ちになりましたら、臨床教育研修センターまでご連絡ください。

研修理念

全ての患者の初期診療が適切に行えるとともに、医療の社会的な意義を自覚し、生涯にわたって研鑽を怠らない医療人となることを研修目標とする。

研修基本方針

  • 1.将来の専門分野にかかわらず、プライマリケアの基本的な診療能力を身につける。
  • 2.患者さんの立場に立って、安全・安心で良質な医療を提供できる。
  • 3.医療チームの一員として自分の役割を認識し、患者・家族・医療スタッフとのコミュニケーション能力を身につける。
  • 4.地域の中核病院の一員としての責任を自覚し、地域の医療関係機関と連携し、地域医療に寄与できる。
  • 5.日々の診療における疑問点の検索・研究を心掛け、生涯にわたり研鑽する姿勢を身につける。

研修ローテーション〔一年目〕

研修概要〔一年目〕

救急部で救急医療の基本と実践(バイタルサインの把握、救命処置、蘇生法等)を行います。外科系では、創傷処置や簡単な手術経験を通して切開、縫合、止血等の基本手技を習得します。内科は、頻度の高い疾患を中心に経験し、内科診療の基本を学びます。

組み合わせ一例

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
A 内科系 外科系 救急部
B 内科系 救急部 外科系
C 外科系 救急部 内科系
D 救急部 外科系 内科系
内科系(24週)
(呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内分泌内科、脳神経内科、腎臓内科、血液内科、膠原病リウマチ内科)より適宜選択。
外科系(12週)
外科(4週必須)、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、形成外科、産婦人科から選択。
救急部(12週)
挿管などの手技修得のため一部麻酔科で研修。

研修ローテーション〔二年目〕

研修概要〔二年目〕

小児科では、一般的な疾患、救急を習得。精神科は、精神医学的面接、基本的精神病状の把握について学びます。産婦人科では、正常分娩の介助、婦人科診察の基本を中心に研修します。地域医療では、プライマリケア、在宅医療、老人医療、保健、福祉、介護を含めた研修を行います。選択した科において一年目で経験できなかった、より専門性の高い検査手技や治療法を含めた内容の診療を行います。

組み合わせ一例

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
A 小児 産婦 精神 地域 選択科
B 小児 産婦 選択科 精神 地域 選択科
C 選択科 精神 産婦 選択科 地域 小児 選択科
小児科(4週)
産婦人科(4週)
精神科(4週)
地域医療(4週)
置戸赤十字病院(北海道)、または伊豆赤十字病院(静岡県)
選択科
内科系各科、外科、救急部、集中治療部、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科、脳神経外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、放射線科、形成外科、緩和ケア科、アレルギー科、心臓血管外科、乳腺外科、病理診断科、感染症科から自由に4週単位で選択。

到達目標

  • A. 医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)
  • ① 社会的使命と公衆衛生への寄与
  • ② 利他的な態度
  • ③ 人間性の尊重
  • ④ 自らを高める姿勢
  • B. 資質・能力
  • ① 医学・医療における倫理性
  • ② 医学知識と問題対応能力
  • ③ 診療技能と患者ケア
  • ④ コミュニケーション能力
  • ⑤ チーム医療の実践
  • ⑥ 医療の質と安全の管理
  • ⑦ 社会における医療の実践
  • ⑧ 科学的探究
  • ⑨ 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
  • C. 基本的診療業務
  • ① 一般外来診療
  • ② 病棟診療
  • ③ 初期救急対応
  • ④ 地域医療

研修評価

指導医による研修医の到達度評価、研修医による指導体制やプログラムに対する評価は、独自の評価票ならびにPG-EPOCを活用しています。また、社会人としての評価は勤務態度を含む評価、医師以外の職員からの360度評価を実施します。それらを総合して、研修修了の総括評価を臨床研修管理委員会で実施します。

コアカリキュラム

到達目標達成のため、初期研修では以下のセミナー、カンファレンスを開催しています。

1.モーニングセミナー
  (年間50回程度、火曜、金曜午前7時30分~8時)
2.みなとERフィードバックセミナー(毎月1回)
3.Morbidity and Mortality Conference(年数回程度)
4.CPC(年5回以上)
5.感染症講義(年12回程度)
6.医療安全講習会(年2回以上)
7.保険診療講演会(年2回以上)

研修医の1日

先輩からのメッセージ


当院の研修プログラムの魅力の一つに、日本でも5本の指に入るほどの救急搬送件数を誇る救急外来での当直業務があります。老若男女・重症軽症問わず様々な患者さんが日々搬送されてきて、症例としても研修医が経験すべき症例を二年間で網羅できるほどのバリエーションの豊かさがあります。そんな多種多様な症例を、救急科上級医の後ろ盾がある環境で、研修医がひたすら初期対応にあたっていくので、初期診療のスキルをどんどん向上させていくことができます。
当直には一年目・二年目研修医両方が入るので、二年目では後輩の指導という形でさらなる学びが得られる、症例経験として最高の環境となっています。また、どんなに忙しい環境でも必ず救急科上級医や内科系/外科系を始めとした当直医の先生方によるフィードバックが入るので、日々安心して確実な成長が期待できます。
向上心豊かな皆さんと救急診療を通して一緒に成長していく日々を心から待っています!

救急科専攻医(当院初期研修修了) 吉澤和大

先輩からのメッセージ

当院の研修プログラムの魅力は日中病棟業務や夜間救急外来を研修医が主体的に行えることです。救急外来は“断らない救急”を胸に日々診療にあたっています。地域の砦として夜間も多くの患者さんが受診し、その役割が果たせるよう、やりがいのある毎日です。疾患は多岐にわたり、心肺停止などの重症例から、内科系疾患、外傷・耳鼻科・眼科・皮膚科疾患やいわゆるcommon diseaseといった経験をすることができます。またそれらを研修医が初期対応にあたるので症例経験としては最高の環境といえると思います。もちろん研修医のみでなく、救急科上級医をはじめ、内科系、外科系、脳神経内科/脳外科、循環器科、産婦人科、集中治療部の先生方も当直し、指導いただけるとともに、疑問点を相談すると適確なアドバイスをいただけます。実践において主体的に診療を行いながら、上級医からのアセスメントやフィードバックを受けることができ、医療のスキルを蓄積していけることも大きな魅力の一つと思います。

病棟業務では患者さんの検査や治療方針などについて、主体的に取り組むことができます。内科系・外科系いずれも診療方針について上級医の先生方に指導いただけるとともに、疑問点は相談でき、患者さんによりよい医療を行っていけるという安心感・自信をもつことができます。診療科を問わず、上級医や他診療科との垣根が低く、相談のしやすい環境であることは実臨床での診療を始めたばかりの研修医にとって大きな財産であることでしょう。複数の診療科疾患を背景にもつ患者さんも多く受診される当院では、それぞれのプロフェッショナルからの視点を織り交ぜながら診療にあたり、またそのチームの一員として接することができ、充実感ややりがいがあります。

外科系では先生方は熱心に指導してくださり、症例数が多いことから執刀を任せていただけることもあり、外科系志望者にとってはとても魅力的な環境でしょう。輸液や抗生剤、周術期管理や術後のリハビリ等を患者さんに合わせて自分で考えながら主体的にオーダーを行っていくこともでき、より実践の経験を得ることができます。優しく、熱い外科系の先生方がしっかりと指導してくださり、患者さんには安全な医療を行いながら、自身の研鑽を積み重ねていくことができます。

みなと赤十字の研修プログラムでは、いわゆる“研修リタイヤ”する研修医がいないことは魅力の裏付けであると思います。より実践的に取り組むことができる反面、確かに「つらい」とか「きつい」と感じる瞬間はあるでしょう。そんなときには相談しやすい上級医の存在や臨床教育研修センターの方々、そして何より一緒に研修を過ごす同期がいることでそんな日々を乗り越えてこれた思い出があります。実際の症例について研修医同士で勉強会を開いて、それぞれの勉強したことを話し合ったり、少し疲れたときには仕事終わりの帰り道に食事をしながら思いのたけを語り合ったりとうまく息抜きをすることができ、また仕事に熱心に取り組むことができます。病院内のスポーツ部活などもありコメディカルの方々との交流もあります。やるときは何事もとことんやれる。積極性を大歓迎してくれる当院は最高の研修環境と思います。

心臓血管外科部医師(当院初期研修修了) 河原拓也

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