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ホルモン治療の副作用対策

ホルモン治療では、更年期症状に似た症状が現れる場合があります。

〇ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)

エストロゲンの低下で体温調節が、うまくできなくなることがあります。そのため、急に汗が出たり、顔がほてったり、急に寒くなるなどの症状が出ます。ホットフラッシュがつらいときは、冷却スプレーなどをハンカチに噴霧し、顔に当てることでほてりが和らぐこともあります。香辛料やカフェインなどが誘因になることもあるといわれています。更年期にも、その症状が一生つづく方はおりません。通常は飲み始めてから数か月で軽快することが多いといわれていますが、長く続き、生活に支障がある場合、医師、看護師にご相談ください。

〇生殖器の症状

性器出血、膣分泌物などが増加する場合があります。
タモキシフェンの服用は、閉経後の女性において、子宮体癌のリスクを上昇させます。タモキシフェンの乳がん再発抑制効果に比べると、そのリスクは小さいため内服はメリットのある治療となります。不正出血などの症状がある場合には、婦人科受診をおすすめいたします。

〇血栓

タモキシフェンでは、血液が固まりやすくなる傾向があります。水分摂取を心がけ、脱水には気を付けましょう。また、同じ姿勢を長時間続けることは避けるよう心がけましょう。

〇骨粗鬆症

アロマターゼ阻害剤は、エストロゲンをへらします。エストロゲンの減少は骨密度の低下を招きます。閉経後に骨粗しょう症になるのはそのためです。骨密度が低い場合には、骨密度を増加させる薬を内服します。太陽に当たること、適度な運動は重要です。

〇関節痛

アロマターゼ阻害薬により、関節痛が発現することがあります。通常は、朝のこわばりとして認められ、少し動かすことですぐに改善します。指の場合には、ばね指といって関節がロックする場合もあります。そのような症状がある場合には、ステロイドの注射が効果がある場合があります。膝などの痛みに関しては、加齢等による変化がかかわっている可能性もあり、症状が強い場合には、整形外科受診をおすすめいたします。改善がない場合には、ホルモン治療の変更も考慮します。
関節症状は、2か月以内に出現することが多いとされていますので、症状が日常生活に影響を与える場合には、医師にご相談ください。

〇精神症状

エストロゲンの低下により、気分の落ち込みイライラ・不眠などの症状が出ることがあります。心がつらいと感じることがあれば、医師、看護師にご相談ください。

〇しみ・肌荒れ

エストロゲンの低下でコラーゲンが低下するため、しみ、肌荒れ、乾燥などが出やすくなります。日焼け止め使用や、肌の保湿を心がけてください。

〇記憶力の障害

化学療法やホルモン治療で、記憶力が落ちたといわれる方を多く見かけます。ホルモンレセプターは脳細胞にもあるため、なんらかの原因で記憶力が落ちていることは否定できません。忘れることも人間にとって大事な機能ですが、忘れてはいけないことは、しっかりと書き留めておくことをお勧めいたします。

〇体重増加

体重増加のメカニズムは不明ですが、規則正しい生活、運動、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。食事内容や時間を記録しておくと食べ過ぎの予防になるといわれています。

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