for disaster
災害に備えて
医療チーム編成
災害派遣医療チームの構成
救護班
日本赤十字社が組織する医療救護チームで、当院の救護班は医師1人、看護師3人、薬剤師1人、主事2人の計7人を基本構成とし、常時7個班を編成しています。
救護班は自己完結型の活動が基本で、被災地までの移動、医薬品・診療材料の調達、班員の衣食住は自分たちで賄うことが求められます。実災害では、全国の支部から救護班が交代で被災地に派遣され、発災直後から数カ月後までの長期の活動にも対応が可能です。
こころのケア
日本赤十字社が組織する心理社会的支援を行う専門チームで、全ての被災者と救援者を対象に傾聴や支援情報の提供等必要なケアを通じて、自分の力で立ち上がることを支援します。活動方法には、こころのケア要員が救護班に帯同する場合と独自にチーム編成し派遣される2つの方法があり、DPATと連携し活動します。
日赤災害医療コーディネートチーム
日本赤十字社が組織する被災地内の活動調整を行う専門チームです。被災地のあらゆるニーズを把握し、医療・保健・福祉・物資などの資源を効果的かつ効率的に配置するために、保健医療福祉調整本部などで活動調整などを行います。
DMAT
(災害派遣医療チーム)
厚生労働省が組織する医療救護チームで、医師1人、看護師2人、業務調整員1人の計4人を基本構成とし、大規模災害や多数傷病者、新興感染症の蔓延が発生した事故現場に急行し、概ね48時間以内の急性期に活動する専門的な医療チームです。当院は、DMAT指定病院の認定を受けており、派遣基準に該当する災害が発生した場合には、県等の要請により全国にDMAT隊員資格を有する職員を派遣します。
神奈川DMAT-L
(神奈川災害派遣医療チーム-ローカル)
神奈川県が組織する医療救護チームで、医師1人、看護師と業務調整員で4人の計5人を基本構成とし、大規模災害や多数傷病者、新興感染症の蔓延が発生した事故現場に急行し、急性期に活動する専門的な医療チームです。当院は、県から神奈川DMAT-L指定病院の認定を受けており、県内で局地災害等が発生した場合には、県等の要請により現場にDMAT-L隊員資格以上を有する職員を派遣します。
DPAT
(災害派遣精神医療チーム)
厚生労働省が組織する精神医療チームで、精神科医、看護師、業務調整員で基本構成されますが、被災地のニーズに応じて薬剤師、保健師、精神保健福祉士や公認心理士等を編成します。当院は、神奈川県からかながわDPATの登録医療機関とされており、県等の要請によりDPAT隊員資格を有する職員を派遣し、自然災害や航空機・列車事故、新興感染症の蔓延、犯罪事件等の大規模災害の後に被災者と支援者に対して、精神科医療及び精神保健活動の専門的支援を行います。
YMAT
(Yokohama Medical Ambulance Team)
横浜市消防局と連携し、横浜市内で自然災害、交通事故等で重症者や多数の傷病者が発生、または発生が予想される場合は、当院から横浜市消防局の救急車で医師・看護師を現場へ派遣し、迅速に治療を開始するための医療チームです。
災害支援ナース
厚生労働省が組織する専門の研修を受けた看護師です。大規模災害や新興感染症の蔓延時に被災地の医療機関等を支援する目的で派遣される職員で、県等の要請により有資格職員を派遣します。
防災設備
外来ホール
1階外来ホールは、災害時に多数傷病者が発生した場合の受入れスペースとして利用することを想定し、壁には医療ガスの配管が設置されています。
また、通常時の2倍程度の患者を受け入れられるよう簡易ベッドなどを備蓄しています。
免震構造
病院棟とエネルギーセンター棟は免震構造となっており、関東大震災クラス(市内で震度6強程度、マグニチュード7.9)の地震でも、建物への損傷がごく軽微(壁のひび割れ程度)なものになるよう設計され、大規模地震時でも病院機能の維持が可能です。
津波・高潮対策
浸水対策として、建設当時の予測津波高より高くなるように敷地全体を盛土で高くし、病院1階が海抜5メートルになるよう建設されています。
また、東日本大震災後に神奈川県の津波予想が見直されたことを受けて、病院にエネルギーを供給するエネルギーセンター棟などに、津波などの浸水を防止するための防潮板・扉を設置し、津波災害に備えています。
自家発電装置
商用電源の供給が停止した場合に備えて、自家発電装置(ガスタービン発電機1基、ガスエンジン発電機2基)をエネルギーセンター棟の2階に設置しています。自家発電機を2階に設置しているのは、津波対策のためです。
災害時でも都市ガスが供給されていれば、燃料の制限を受けずに自家発電機の運転が可能です。もし都市ガスの供給が停止した場合は、非常用燃料として備蓄している軽油を利用し、約7日間の運転が可能です。
ヘリポート
屋上にヘリポートを設置し、24時間365日の離着陸が可能となっています。
ヘリポートは、ヘリによる救急搬送の他、災害時には救護班の搬送や物資の輸送に対応しています。
当院は、海上保安庁や横浜市消防局のヘリコプターが救助した傷病者を当院のヘリポートに直接搬送する運用を行っており、救急・災害医療に積極的にヘリポートを活用しています。
ヘリポート情報
- 軒高 38m
- 離着陸帯区域 20m×20m
- 最大離陸重量 9トン以下
- 夜間離着陸 可
船着場
建物の南東側の運河に、小型船舶の係留が可能な船着場を設置しています。この船着場は、海難事故の傷病者搬送や大規模災害時に陸路が寸断した際の物資補給などに活用されます。
陸、海、空からの傷病者受入れや災害時には物資の輸送受入れが可能な病院は全国的にも珍しく、当院の特徴となっています。
下水直結式仮設トイレ
建物正面のバスロータリー付近に、下水直結式の仮設トイレ専用のマンホールを備えています。災害時には仮設トイレを設営し、揚水ポンプで運河から水を引き入れることで、水洗用の水を確保することが可能です。なお、トイレの形状は洋式を採用しており障がい者や高齢者も安心して使用できるようバリアフリー設計のトイレも配備しています。