横浜市立みなと赤十字病院泌尿器科
PSA検査
前立腺からのみつくられる物質で、正常前立腺からもつくられますが、前立腺癌でより産生されやすいため、前立腺癌の早期発見に有効な検査です。
ただし、前立腺が大きい場合(前立腺肥大症)や炎症(前立腺炎)、加齢、機械的圧迫(自転車・バイクなど)などでも、見かけ上PSAが上がることがあります。
PSAが高いからと言って、前立腺癌とは限らないことに注意が必要です。またPSAが高くても、前立腺癌でなければ、悪い物質ではないのでPSA値を下げる治療は必要ありません。
>PSA(ng/ml)
一般的に、PSA4ng/ml以下が基準値といわれています。
4-10ng/mlはグレーゾーンと呼ばれ、20-30%で前立腺癌がみつかります。ただし、見つかる前立腺癌のほとんどは早期がんです。早期がんは根治可能ながんであり、できるだけ早期のうちに診断したいと思います。
診断のためには入院して前立腺生検行います。ただし70-80%の方には不要な検査となってしまうため、複数回のPSA検査による経過や前立腺の大きさ、硬さ、ご年齢などを参考に前立腺生検をするかどうかを相談させていただきます。
PSAが高値であるほど、前立腺癌が見つかりやすく、見つかる癌も進行している可能性が高くなるといわれています。PSA10ng/ml以上の場合には基本的に前立腺生検をおすすめしますが、ご年齢や診察所見を参考に相談させていただきます。
>年齢調整PSA
PSAは年齢とともに上昇します。全年齢では4ng/mlを基準値としていますが、日本では年齢別では下記のとおりです。
50-64歳:3ng/ml 65-69歳:3.5ng/ml 70歳以上:4ng/ml
80歳以上:7ng/ml
>PSA F/T(%)
PSAは遊離したPSA(遊離PSA)と別の物質と結合したPSA(PSA-ACT)の2種類あります。癌の場合には遊離したPSAが少ないといわれており、グレーゾーンのPSAではPSAの比率(F/T:free/total)が癌の診断の参考になります。PSA F/Tが0.15以下の場合に癌が見つかりやすいといわれています。
PSAはあくまでも前立腺癌診断の補助的な役割です。
高値の場合でも過剰に心配せず、泌尿器科に受診してご相談ください。