スポーツファーマシストの活動紹介

2023/09/26

当院薬剤部10年目のTです。
 今回はスポーツファーマシストについてご紹介します。
現在当院ではJADA(日本アンチ・ドーピング機構)認定のスポーツファーマシストが3名在籍しています。
 
 皆さんは「ドーピング」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
実はドーピングには大きく分けて2つあります。競技力の向上を意図して禁止物質を使用する場合と、競技力向上は意図せず使用した治療・健康向上目的の薬剤やサプリメントにうっかり禁止物質が入っていた場合、の2つです。
 どちらもドーピング違反になるのですが、後者は「うっかりドーピング」と言い、実際に、禁止物質が入っていることに気づかず使用した薬剤・サプリメント等によりドーピング違反になってしまった例が多くあります。
 これは、アスリートが今まで積み上げた努力が一瞬で水の泡になってしまうばかりでなく、今後の競技会参加にも支障を来たし、意図せずアスリートの競技人生を大きく変えてしまう恐れがあります。
 うっかりドーピングは、まずはアスリート自身が注意することではありますが、我々薬剤師は、薬を提供する立場としてこのような出来事を避けるために患者様の情報収集、必要な情報提供をしていく必要がありますし、特にスポーツファーマシストは禁止物質・禁止方法について専門的に学んでおり、医療現場で中心となってアスリートをサポートする役目を担っています。
 
 当院でも東京オリンピックの際は選手の受け入れ対象施設としてアスリートをサポートする体制の一端をスポーツファーマシストが担いました。また日頃よりドーピング検査の可能性がある患者様の治療に対しては、スポーツファーマシストが率先して薬の情報管理・必要なサポートを行っています。