災害救護班について

2024/03/29

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 令和6年能登半島地震により尊い生命をなくされた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまが1日も早く穏やかな日常に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
 
 今回は 能登半島地震に対して当院から出動を行った 災害救護班についてご紹介いたします。
 
 日本赤十字社は、災害救助法で国・都道府県等と協力して救助にあたる機関と定められ、災害対策基本法では「指定公共機関」とされており、災害時に必要とされる医療救護活動を行うため、救護班を編成して常に対応できる体制を整えています。
 
 当院の救護班は医師1人、看護師3人、薬剤師1人、主事2人の計7人を基本構成とし、常時7個班を編成しています。
 
 救護班要員の薬剤師は毎年、定期的に行われる災害救護活動で求められる知識やスキルについての訓練、研修会に参加し、災害に対応できるようにしています。
 医療支援時の医薬品は、日本赤十字社医療救護班標準医薬品リストに基き、初期治療における外科系傷病から慢性疾患の内科系治療まで、限られた医療資材でも柔軟に対応できるように選定されています。
 医薬品を収納しているケースは頑丈なジュラルミンケースを使用し、各病院の採用薬品にていつでも利用可能であるよう準備をして出動時に救護車両に乗せて被災地へ持参しています。
 
 能登半島地震では、当院から1月4日~8日に救護第1班が、1月28日~2月1日に第2班が、2月18日~22日に第3班が出動し、主に避難所での巡回診療を行いました。救護班要員として薬剤師も出動し、調剤、常用薬の聴き取り、代替え薬の提案、服薬指導等の業務に従事しました。
 
 被災地での活動において薬剤師は、薬の専門家としての知識とスキルを発揮することができます。限りある資材の中で臨機応変、かつ柔軟な対応が求められますが、非常にやりがいのある活動だと感じています。

薬剤部見学会開催予定

2024/03/01

薬剤部見学会開催予定
①3月19日(火)10時~(申し込み終了)
②3月26日(火)10時~(申し込み終了)

 
見学会参加希望者は、下記連絡先までメールにてお申し込みください。
見学担当:井口
E-mail :yakuzaibu.pharm@yokohama.jrc.or.jp
 

抗菌薬適正使用支援チームについて

2024/01/29

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 今回は抗菌薬適正使用支援チーム(AST: Antimicrobial stewardship team) についてお伝えします。ASTは薬剤師が中心に活動を行い、医師、検査技師、看護師で構成されています。
 薬剤耐性 (AMR : Antimicrobial resistance) という言葉をご存知でしょうか。今世界が直面している大きな問題として、細菌やウイルスに薬が効かない耐性の微生物による死亡者数が2050年にはがんによる死亡者数を超えると懸念されています。そのためAMR対策として、抗菌薬の適正使用を推進する動きが世界的にも広がっており、日本も例外ではありません。
 適正使用とは、必要なときに必要な量を必要な期間使用する、ということです。私たちの身近なところでいうと、一般的な ”風邪” はウイルスによることがほとんどであり、抗菌薬の処方は不要である場合が多いです。また処方された抗菌薬を、体調がよくなったからと自己判断で服用を中止したり、残った薬を他人へ譲ったりすることも適正使用とは言えません。
 外来処方への介入はもちろんですが、感染症で入院される患者さんも数多くいます。その感染症の原因菌を推測、確認しながら最も適切な治療が行われるよう支援する、それがASTの活動です。写真は、血液中から検出された細菌を検査技師が染色し、AST医師と一緒に顕微鏡で観察しているところです。細菌の色や形、大きさと、患者さんの病態や既往など様々な情報から菌の種類を想定し、投与されている抗菌薬で治療が適切に行われているかを考え、治療の変更が必要であれば主治医へ提案します。最終的には同定された菌がどの抗菌薬で治療できるかまでわかるため、患者さんごとに適した抗菌薬を主治医へ提案し感染症診療のサポートを行います。
 これ以外にも院内外で様々な感染症に関連した薬物療法について、積極的な情報提供活動に携わっています。