入退院支援センターの薬剤師業務について

2024/06/07

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 今回は入退院支援センターの薬剤師業務についてご紹介いたします。
近年、少子高齢化が進んでおり、高齢化により、医療を必要とする患者さんの増加が予測されています。それにより、必要な人に医療が行き渡らなくなることや、病気のために自分らしく過ごすことが困難になる患者さんが増えることが懸念されており、そのため誰もが住み慣れた地域で必要なサービスを受けながら暮らし続けることができる仕組み作りが求められています。
 このような情勢も踏まえ、当院の入退院支援センターでは入院が決まった患者さんやそのご家族と面談を行い、スムーズな入院ができるように、また入院中や退院後の生活を見据えてどんな準備が必要か確認し、必要な支援の提供につなげる業務を行っています。
 入退院支援センターにはこれらの業務を行うために看護師や事務職員の他に薬剤師も常駐しており、また院内のスタッフだけでなく他施設の方とも連携しています。薬剤師はその中で主に、これから入院が決まった患者さんが主に常用している薬や入院前に中止する必要がある薬がないか、健康食品の摂取の有無、アレルギー歴、手術後に生じる嘔気嘔吐を起こす危険因子などについて確認しています。
 例えば、抗血栓薬のように出血が止まりにくくなる薬を服用している方は手術によっては事前に中止をしていただくことがありますが、適切に中止できていないと手術が行えず適切な治療の機会を逃すことや、手術に伴う合併症の増加、入院期間の延長につながります。
 入院期間が長くなれば経済的な損失が生じるだけでなく、体力が低下することなどによって退院後の生活に支障を来す場合もあります。中止が必要な薬剤は出血に関わる薬のみならず、ホルモン剤や糖尿病薬、骨粗しょう症治療薬、免疫を調節する薬の一部など多岐にわたるため、中止すべき薬を使用していないか、他院で処方されている薬を含めた常用薬を確認し、医師と連携して安全な治療が行えるように支援を行っています。
 また、医師より薬の中止指示が出たとしても、それだけで患者さんが指示通りに中止できるとは限りません。そのため、患者さんのお薬の管理状況や理解度に応じて、適切に入院に臨めるようかかりつけ薬局の薬剤師とも連携を行っています。
 今回は業務の一部をご紹介しましたが、治療上問題になりそうなことがあれば、かかりつけ薬局や病棟薬剤師、手術室担当の薬剤師等とも連携しながら、患者さんが安心して安全な治療を受けられるように努めています。

薬剤部見学会開催予定

2024/04/09

薬剤部見学会開催予定
①4月24日(水)10時~(申し込み終了)
②4月25日(木)10時~(申し込み終了)


見学会の参加をご希望の方は、下記連絡先までメールにてお申し込みください。
見学担当:井口
E-mail :yakuzaibu.pharm@yokohama.jrc.or.jp