ICU/HCU紹介

2023/12/15

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4年目の薬剤師のIです。
 
今回は集中治療室(ICU)/高度治療室(HCU)病棟の薬剤師業務についてご紹介します。
当院では各病棟に病棟担当薬剤師を1名配置しています。ICU/HCUは当院の3階に位置しており、ICU病棟は10床、HCU病棟は8床あり、1名ずつ病棟担当薬剤師が配属され、病棟薬剤業務を行っています。
 
当院ICUにおいては定時大手術後の入室は約3割で、それ以外の大半は救急外来から、一部は一般病棟からの急変後の入室です。
すなわち緊急入室をベースとしたICUとなっており、重症度が高く、外傷から内因性疾患まで非常に多彩な疾患が入室するのが特徴です。そのため人工呼吸器や人工透析など機械のサポートを必要とする患者さんも多いです。薬剤師も様々な疾患に対する、治療方針や薬剤選択など、幅広い知識が求められます。
ICU/HCU病棟では毎日医師、看護師、栄養士、理学療法士の方々との多職種回診に薬剤師も参加しています。様々な職種の観点から情報共有を行い、回診で得られた手術後の痛みの状況や、夜間の睡眠の状況、排便状況などの情報を基にし、適切な薬物療法に貢献しています。
また、多職種回診後に医師、栄養士、薬剤師で治療方針などのカンファレンスも行っています。医師や看護師はもちろん栄養士や理学療法士などその他のコメディカルの方も距離が近く連携のしやすい環境です。
 
重症度の高い患者さんが多く医療用麻薬や毒薬などの使用頻度も多いです。薬剤師は使用方法、投与量が適正かどうか確認、病棟内で適切に管理されているかどうか確認しています。また、点滴で投与する薬剤も多く、投与できる点滴ルートも限られているため、薬剤同士の配合も問題ないかも確認しています。
また、様々な問題に対して新たな薬剤が追加になることが多く薬剤数は多くなってしまいます。薬剤を追加するのは比較的簡単ですが、薬剤の終了の時期は難しく、患者さんの状態を日々細かく見ながら現在の病態に応じて必要性の薄い薬剤の終了を医師と協議しています。
 
以上簡単ですが、ICU/HCU病棟の薬剤師業務の紹介でした。

スポーツファーマシストの活動紹介

2023/09/26

当院薬剤部10年目のTです。
 今回はスポーツファーマシストについてご紹介します。
現在当院ではJADA(日本アンチ・ドーピング機構)認定のスポーツファーマシストが3名在籍しています。
 
 皆さんは「ドーピング」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
実はドーピングには大きく分けて2つあります。競技力の向上を意図して禁止物質を使用する場合と、競技力向上は意図せず使用した治療・健康向上目的の薬剤やサプリメントにうっかり禁止物質が入っていた場合、の2つです。
 どちらもドーピング違反になるのですが、後者は「うっかりドーピング」と言い、実際に、禁止物質が入っていることに気づかず使用した薬剤・サプリメント等によりドーピング違反になってしまった例が多くあります。
 これは、アスリートが今まで積み上げた努力が一瞬で水の泡になってしまうばかりでなく、今後の競技会参加にも支障を来たし、意図せずアスリートの競技人生を大きく変えてしまう恐れがあります。
 うっかりドーピングは、まずはアスリート自身が注意することではありますが、我々薬剤師は、薬を提供する立場としてこのような出来事を避けるために患者様の情報収集、必要な情報提供をしていく必要がありますし、特にスポーツファーマシストは禁止物質・禁止方法について専門的に学んでおり、医療現場で中心となってアスリートをサポートする役目を担っています。
 
 当院でも東京オリンピックの際は選手の受け入れ対象施設としてアスリートをサポートする体制の一端をスポーツファーマシストが担いました。また日頃よりドーピング検査の可能性がある患者様の治療に対しては、スポーツファーマシストが率先して薬の情報管理・必要なサポートを行っています。

薬剤部1年生より

2023/06/15

一年目の新人薬剤師のMとIです。1年目の業務や研修についてご紹介します!
 
☆仕事内容
調剤室で内服薬・外用薬の調剤から始め、5月から注射薬の調剤も始まりました。
まだまだ覚えることはたくさんありますが、確認事項や調剤機器の使い方など、基本的な調剤方法を先輩方に教わりながら業務に取り組んでいます。
先輩方はとても優しく熱心な方達ばかりなので、不足しているところはその都度指導してもらい、一つ一つ疑問点を解消しながら業務を進めることができています。新人教育チェックリストの項目が一つ一つ埋まっていくことで、少しずつですが独り立ちに近づいていることを実感しています。早く一人前の薬剤師になれるように頑張ります!
 
☆チーム医療ワークショップ
新卒1年目の多職種で集まり、チーム医療について学ぶ研修がありました。
実際の現場を想定した演習や演劇などの様々なタスクにグループで取り組みます。
グループは各職種混合のため最初はかなり緊張しましたが、終わる頃には気軽に話すことができる同期になりました。
院内の多職種の方々が普段どのような仕事をしているのか、薬剤部にいるだけではわからない様々な視点を知ることができる良い機会となりました!
 
☆勉強会参加
週に2回、各診療科の医師が講師を務めるモーニングセミナーがあります。
普段なかなか知ることができない医師の視点を知ることができるのでとても勉強になります。
朝が早く大変な時もありますが、毎回出る様々な朝ごはんも楽しみに参加しています。
他にも、感染症についての講義や薬剤部内での新人勉強会等にも参加し、薬だけでなく臨床知識も学ぶことができます。
 
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今回は新人薬剤師の業務と研修についてご紹介しました。
このように、業務内での学びはもちろん、様々な研修や勉強の機会があり、充実した日々を送ることができています。
先輩方のサポートを受けながら、同期と支え合い、最良の医療を提供できるよう日々学んでいます。
私達はまだまだ新米薬剤師ですが、早く一人前の薬剤師になれるよう頑張ります!

薬剤師募集のご案内

2023/04/17

常勤嘱託/パートタイマーの薬剤師を募集しています。
詳細につきましては採用情報のページに募集要項が掲載されていますのでこちらのリンク先をご参照ください。

薬剤部がんチームより

2023/03/23

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横浜市立みなと赤十字病院薬剤部ブログ投稿2回目は、外来化学療法室のサテライト抗がん剤調製室を紹介します。初回に紹介した調剤室は1階に位置しますが、当院抗がん剤調製室ならびに外来化学療法センターは5階に位置し窓からは、ベイブリッジを臨むことができます。
ここに配属されている薬剤師は4名で、各々が「がん関連専門資格」を有しています。また、日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設の認定も受けております。
設備としましては、ケモシールド2台が配置されておりガウン無しでも抗がん剤の曝露なく調製することが可能です。
抗がん剤の調製以外にも、医師や看護師、栄養士等と連携しながら患者さんの抗がん剤治療が副作用や不安が少なく行えるよう治療開始前から治療内容の説明や副作用説明、副作用を予防・軽減する薬剤の提案や検査項目の提案等様々なサポートを行っています。
さらに、通院治療の患者さんに対してはトレーシングレポートを介して、かかりつけ薬局と治療内容や経過を共有し通院日以外の副作用もサポートを行っていただけるよう連携体制を整えております。
抗がん剤といっても近年は、従来からある殺細胞性の薬剤から、特定の体内物質に標的を絞った分子標的薬、殺細胞性抗がん剤に分子標的薬を結合させた薬剤、患者さんご自身の免疫に働きかける免疫チェックポイント阻害薬と多岐にわたっています。薬剤師はこれらを扱う医療従事者として、それぞれの薬の効き方、特異的な副作用等を熟知し、日々最新の知見を得ることで患者さんの抗がん剤を用いた治療への不安を和らげ、少しでも副作用が軽く治療ができるようにサポートをしてまいります。