Department of Psychiatry
精神科
精神科について
入院施設をもつ総合病院の精神科です。外来診療では身体合併症をもつ精神科患者さんを中心に診療していますが、初診は不眠症状やストレスによるメンタル不調、躁うつ病、うつ病、統合失調症、発達障害、認知症など幅広く受け付けております。精神疾患は鑑別診断、除外診断が大事ですので、特に初発の患者さんには当科のような総合病院がお勧めです。病状が安定した場合、お近くのクリニックをご紹介いたします。
入院施設は閉鎖病棟になりますので、主に急性期の患者さんが対象です。休息目的で短期入院される方も受け入れており、(閉鎖病棟ですが)なるべく開放的な処遇をこころがけております。また、神奈川県の精神科医療基幹病院として、精神科救急医療、身体合併症転院事業を行っています。
治療について
初診の患者さんは幅広く受け入れております。かかりつけの先生からの紹介状をお持ちになって受診してください。紹介状がない場合も受診できますが、別途選定療養費が発生します。また、物忘れ外来、強迫性障害専門外来も行っており、入院診療では県の事業である精神科救急、身体合併症の患者さんのほか、近隣のクリニック、病院からの紹介で様々な精神疾患の治療を実施。修正型電気けいれん療法に関しては、麻酔科医の協力の下安全に行います。
薬物依存、摂食障害、パーソナリティ障害、てんかん、児童思春期、過眠症などの専門性の高い分野については他の専門機関に紹介いたします。なお、臨床心理士による個人カウンセリングは行っておりませんんで、その旨お含みおきください。
医師紹介
精神科部長
京野 穂集(きょうの ほつみ)
専門分野
- 臨床精神医学一般・精神科救急
経歴
- 出身大学:東京医科歯科大学
- 医師免許取得年:2002年
- 専門医・認定医・指導医(資格):
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- 東京科学大学医学部臨床教授
副部長
池井 大輔(いけい だいすけ)
専門分野
- 臨床精神医学一般
経歴
- 出身大学:浜松医科大学
- 医師免許取得年:2006年
- 専門医・認定医・指導医(資格):
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
医長
三瀨 耕平(みせ こうへい)
専門分野
- 臨床精神医学一般・強迫性障害
経歴
- 出身大学:筑波大学
- 医師免許取得年:2010年
- 専門医・認定医・指導医(資格):
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
医長
橋本 寛史(はしもと ひろふみ)
専門分野
- 臨床精神医一般
経歴
- 専門医・認定医・指導医(資格):
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
医長
武藤 貴弘(むとう たかひろ)
専門分野
- 臨床精神医学一般・森田療法
経歴
- 出身大学:東京医科歯科大学
- 医師免許取得年:2015年
- 専門医・認定医・指導医(資格):
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
医師
石原 紗也(いしはら さや)
医師
伊勢田 太郎(いせだ たろう)
医師
林 真莉子(はやし まりこ)
外来担当医表・休診表
診療科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
精神科 | 午前 | 新患(一般・物忘れ) | 交代制 | 交代制 交代制 交代制 |
交代制 交代制 |
– | 交代制 交代制 |
予約制 |
再診 | 京野 穂集 石原 紗也 |
伊勢田 太郎 三瀬 耕平 |
京野 穂集 橋本 寛史 |
– | 林 真莉子 | – | ||
午後 | 再診 | 京野 穂集 橋本 寛史 池井 大輔 |
行実 知昭 三瀬 耕平 池井 大輔 |
京野 穂集 橋本 寛史 行実 知昭 武藤 貴弘 |
– | 三瀬 耕平 武藤 貴弘 |
予約制 |
診療科
精神科
午前
月
新患(一般・物忘れ)
交代制
再診
京野 穂集
石原 紗也
火
新患(一般・物忘れ)
交代制
交代制
交代制
再診
伊勢田 太郎
三瀬 耕平
水
新患(一般・物忘れ)
交代制
交代制
再診
京野 穂集
橋本 寛史
木
新患(一般・物忘れ)
–
再診
–
金
新患(一般・物忘れ)
交代制
交代制
再診
林 真莉子
備考
新患(一般・物忘れ)
予約制
再診
–
午後
月
再診
京野 穂集
橋本 寛史
池井 大輔
火
再診
行実 知昭
三瀬 耕平
池井 大輔
水
再診
京野 穂集
橋本 寛史
行実 知昭
武藤 貴弘
木
再診
–
金
再診
三瀬 耕平
武藤 貴弘
備考
再診
予約制
精神科
12月6日(金)武藤休診
診療実績
精神科救急医療実績 | 28件 |
精神科身体合併症医療受け入れ件数 | 59件(うち入院53件) |
(2023年度入院実績)(精神科救急身体合併症転院事業受入数)
病気を知る
強迫性障害
強迫性障害と当院の専門外来について
「鍵をしめたかしら?」「鍵が開いていたら泥棒に入られる!」「手を洗ったけどばい菌がついているんじゃないか?」という強迫観念と、強迫行為(鍵を何度もしめて確認する。手を何度も洗い続けるなど)で構成される病気です。この結果、仕事に行けなくなったり、水道代が数万円を超えてしまったりして社会生活が困難になることもあります。
治療は薬物療法と、認知行動療法を組み合わせて実施。お薬ですんなり良くなる方もいるのですが、なかなか良くならない方もいて、そのような方のために当院では強迫性障害専門外来を行っています。
まずは1日の中でどういう場面で不安が生じて強迫行為をしてしまうのかということを知るために患者さんに用紙を渡して、症状の出る時間、タイミングを正確に記載してもらい治療目標を具体的に決めていきます。
つぎに「不安になる」→「強迫行為をする」→「不安が一時的に下がる」→「また不安になる」→「強迫行為をする」という無限ループによって強迫症状が悪化してゆくことを図で示し、「不安は放っておくことで下がってくる」、「ピークアウトする感覚をつかむ」ということを繰り返し伝えて、不安になっても強迫行為をしないで放っておくことが重要です。不安の階層表を作って、取り組みやすいところから取り組んで段階的に強迫症状ゼロを目指します。患者さん自身の治療意欲も必要です。あらかじめ回数が決められている治療ですので、治療期間終了後はかかりつけの先生の外来にお戻り頂くことになります。
認知行動療法は有効性は示されているのですが、一般精神科診療では時間がかかり敷居が高く、診療報酬上のメリットもまだまだ少ないため国内では十分広まっていないのが現状です。当院は赤十字という公益性をもった病院の使命として、強迫症の認知行動療法専門外来を開設して治療にあたっておりますので、強迫症状があって、薬物療法の反応が十分得られない場合は、主治医の先生を通してご受診いただければと思います。
その他
精神科の診断とは
精神科では、依然として「原因不明」の病気を扱っています。たとえば「胃癌」であれば、胃の内視鏡を行って病変部位を採取して、病理診断に提出して確定診断がつきますし、「脳梗塞」であれば症状と頭部のCTやMRIといった画像所見で診断が可能です。診断がつくと治療もセットでついてきてエビデンスに基づいた標準的な治療が行うことができます。これに対して、精神科の場合、血液検査、レントゲン、頭部画像などを使って「躁うつ病」「統合失調症」といった確定診断をすることが出来ません。現状では、ICD10やDSM5といった世界標準の診断基準を用いて、主に症状の程度と持続期間をもとにして診断を行っています。この際にとても重要なことは、他の病気が隠れていないかという鑑別診断と除外診断、そして、その人がどんな人生を送ってきて今の精神状態に至ったのか、生活史を事細かに聴取し、病気だけではなく人間を診る姿勢です。「うつ病」という病名がついても薬物療法が優先される場合、環境調整が優先されるケース、カウンセリングが優先されるケースなど様々です。適切な治療は、適切な診断がなければ行うことが出来ません。当院では初診時に十分時間をお取りして鑑別診断、除外診断を行いながら薬物療法に偏重することなく丁寧に診断治療を進めることを心掛けております。
家族が急にメンタル不調になって困ったときは?
ストレスの多い現代社会です。ご本人やご家族が急に落ち込んで眠れなくなったり、死にたいと漏らしたり、いつもと様子が異なって心配されるという状況が急に生じることもあると思います。ご本人が同意している場合はすぐにかかれるメンタルクリニックに相談してみましょう。当院の予約枠をとるのもよいでしょう。休むことが大事なので、まずはストレスから避けて休むよう伝えてください。ただ、予約が先で待ちきれず、夜間や休日に急に落ち着かなくなったり、死にたいといって家から飛び出しそうになったり、幻覚妄想が出て暴れてしまったりした場合どうしたらよいでしょうか。このような状況でいろんな病院に電話をかけても土日夜間は断られてしまうのが現状です。神奈川県では精神科救急窓口(045-261-7070)をご用意しておりますので、休日夜間にお困りの時はこちらの番号に連絡をしてみてください。ご家族が病院に連れていけないようなケース、本人が強く拒否をして暴れている、自傷や他害のおそれがある場合は迷わず110番通報をして警察に保護してもらうことを検討してください。措置入院という制度がありますが、これはほとんど警察が保護した上で通報、入院になるのが現状です。警察を呼ぶのは世間体が気になるなどのことがあると思いますが、本人を守るためにはこれしかない場合もあります。ゆくゆくは一般のERのように訴えがある患者さんを夜間休日でも断らず診るという精神科医療になるのが理想だと思っており、このために当科も神奈川県の精神科救急制度をより患者さんが使いやすい制度にすべく行政と話し合いを行っております。地域の皆さんの声もとても大事ですので、ご意見があれば気軽に当科までお寄せください。
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