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平成30年度第2回 関節リウマチ教室 開催報告
◆日時:平成30年7月2日(月) 15:00~16:00
◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室
◆開催目的:病気に対する理解を深め、上手に付き合っていけるようにすることを目的とする。
◆対象者:通院患者さん及び一般市民
◆参加者数:19名(当院 3名 他院 11名 その他 5名)
◆講義内容:「関節リウマチの手術療法」整形・関節外科 部長 浅野浩司医師
アンケート結果(回答者数 14名)
◆内容についての感想
①とてもわかりやすかった 5名
②わかりやすかった 7名
③あまり理解できなかった 0名
④わかりづらく理解できなかった 0名
※未回答 2名
◆今回の関節リウマチ教室でどのような話が役に立ちましたか?
・人工関節について(2)
・人工関節置換術について(5)
・股関節の仕組みについて
・手首に痛みがあるが、仕事で手を使わなければならず困る
・リウマチと外反母趾の関連性について
・滑膜切除について
◆日常生活を過ごす中で、リウマチについてお困りの事や不安はありますか?
・こわばり
・夜間に痛みで目が覚め、鎮痛剤の服用間隔があり服用するか迷う。
・手に力が入らないので家事ができない
・歩行に痛みが伴う
・症状が進行し変化していくことが不安(2)
・生物学的製剤はいつまで続けなければならないのか
◆今後リウマチ教室で聞きたいテーマはありますか?
・関節リウマチは治る病気なのか
・薬物療法について
・治療薬について
・リウマチになる原因について
・寛解状態にある患者さんの話
◆その他、ご要望、ご感想等
〈質問〉
・鎮痛のために鍼や灸、マッサージを受けてもよいのか
・どこの関節でもリウマチの症状がでるのか
・リウマチの治療薬の効果に個人差はあるのか
〈感想〉
・骨折をしないように歩行には十分注意しようと思った
◆質疑応答
Q1:リウマチで近医に受診している。定期的なレントゲン検査を行っていないのだが、どのくらいの周期でレントゲン検査が必要なのか。
A1:どのくらい関節が変形しているかを見るとなると、レントゲン検査を行って軟骨の減り具合を見ることがある。どのくらいの頻度でレントゲン検査を行うかは決まっていないので、それは症状の進行によってである。
Q2:歩行時に足指付け根の裏に痛みを感じるのだが痛みをよくするためにはどうしたらよいか。
A2:痛みが強ければ手術を行うことがあるが、足先が痛い場合は足底板やクッションを使って様子を見るのが一般的な治療である。
Q3:通院している病院では痛みがあるときはリハビリをしないようにしているのだが、痛いのを我慢してリハビリをしたほうがよいのか、それとも痛いときは休んだほうがよいのか。
A3:痛みの強さにもよるが、リウマチのない患者で考えると関節に炎症がないと関節は運動したほうが関節の中で関節の炎症を抑える物質が出てくるので体操を行うことで痛みが和らぐと言われている。運動を行い筋力をつけることで、筋肉がクッションの役割をとるので関節の痛みが軽くなることもある。リウマチ患者がどのくらい運動すればよいのかというと、まずはリウマチがどのくらいコントロールされているのか、コントロールが不十分だったら安静にし、炎症を抑えたほうが良い。炎症が落ち着いているのであれば軽く体操を行ったほうがよい。
Q4:血液検査でRF(リウマトイド因子)の数値が59だが、これは気にしないほうが良いのか。
A4:RFはリウマチを診断するときの指標。陽性か陰性かは大事な項目だが、関節リウマチの診断には関節が腫れているか腫れていないかが重要である。関節が腫れていないのであれば、その時点でリウマチではないのであまり考えなくてよい。関節が腫れているかは専門医の診察を受けて診断してもらうとよい。
Q5:前回のときに、ステロイドの投与期間は6ヶ月と聞いたがその期間を超えるとどうなるのか。
A5:6ヶ月と説明したのはヨーロッパの治療推奨である。長くなると、感染症や骨粗鬆症が大きな有害事象となるので目安として6ヶ月以内にやめるようになっている。しかし、臨床的にうまくいかない場合もあるので、できるだけ投与期間を短くするようにしていればよいと考えている。長期期間の投与となるようであれば、骨粗鬆症の治療を行うなど有害事象へのカバーをしていく必要がある。