横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター

受付時間:午前8時15分~午前11時

診療案内

アレルギー疾患の説明

アレルギー内科

気管支ぜん息・慢性の咳

 「ぜん息」は子供だけの病気ではありません。すべての年齢の人に起こる病気です。日本人の20人に1人はぜん息を患っていますが本人が気づいていません。風邪をこじらせて「咳」や「たん」が1ヶ月近く続くというのは、実は「咳ぜん息」なのかもしれません。また、ぜん息は慢性の病気です。糖尿病や高血圧と同じように、症状がないからといって放置しておくと少しずつ肺機能の低下が起こります。

 「気管支ぜん息」や「咳ぜん息」の治療をしているのに症状がよくならない方がいます。治療の良し悪しは、吸入の薬を上手に使えるかどうかにかかっています。吸入の薬には予防用と発作用があります。この2種類の薬の上手な使い分けと吸入を上手に行うのがぜん息治療のコツです。

食物アレルギー・薬アレルギー

 大人に多い食物アレルギーは「小麦」「エビやカニ」「サバなどの青魚」そして「魚についている寄生虫アニサキス」です。「茶のしずく」のような石鹸や化粧品による小麦アレルギーやアニサキスアレルギーは本人が気づいていないことも多く検査が必要です。食物アレルギーは原因食物を食べると同時に運動や入浴をすることにより誘発されることがありますし、重症化すればショックになり危険ですので自己注射「エピペン®」の携帯をお勧めします。

 薬によるアレルギー症状にも注意が必要ですが、「副作用」と「アレルギー」を間違えないようにしましょう。「アレルギー」の場合のほとんどは、服薬の後30分~1時間くらいで「じんましん」などの皮膚症状が起こります。

膠原病・リウマチ内科

関節リウマチ

 関節リウマチは、多くの関節が腫れて痛くなる病気です。症状が出る関節は主に小さな関節、つまり手指や足趾の関節です。関節以外に症状が出る場合もあります。原因は今のところ不明です。血液検査では、CRPや血液沈降速度といった炎症反応を表す項目が異常となったり、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体といった自己抗体が陽性となったりします。適切な治療をしなければ、関節が壊れてうまく動かなくなり、ものがもてなくなったり、歩けなくなったりしますが、近年メトトレキサートや生物学的製剤といった効果のある薬が使えるようになり、関節の腫れや痛みをなくして、関節が壊れないようにすることを目標とした治療ができるようになりました。ただ、壊れた関節をもとに戻すことはできないので、病気を早く見つけて、早く治療することが大事です。

全身性エリテマトーデス

 全身性エリテマトーデスの英語名を直訳すると全身性紅斑狼瘡となります。皮膚にできた発疹が狼の咬み痕に似ていることから命名されました。しかし皮膚以外にも、関節や肺、腎臓、中枢神経などの臓器に症状が出現し、これら臓器の症状が入院の契機となることが多いのです。出産可能年齢の女性に発症することが多いため、女性ホルモンの関与が示唆されますが、はっきりした原因は今のところ不明です。血液検査では、自己の成分と反応する抗体(自己抗体)である抗核抗体や抗DNA抗体、抗Sm抗体が検出されます。治療は、症状のある臓器や重症度によって異なりますが、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤が主体となります。特に、腎臓や中枢神経といった重要臓器に症状があり、重症の場合は免疫抑制剤の使用が重要です。欧米で治療の主体となっているシクロホスファミドとアザチオプリンという薬が2010年保険適応となり治療がしやすくなりました。

小児科

こどもの食物アレルギー

 こどもの食物アレルギーの多くは乳児期から認められ、鶏卵、乳製品、小麦がその代表格です。一部の乳児では食物によって湿疹が悪くなることもありますが、多くの場合は食物を食べて2時間以内に症状がでる「即時型反応」として認められます。皮膚が赤くなったり、かゆいブツブツ(じんま疹)が出たり、重症な児では嘔吐、咳込み、喘鳴がでたりする症状です。近年、乳幼児期に湿疹のある部位をはじめ皮膚から食物が身体に入り込んで食物アレルギーを発症し、食べて腸を介して身体に取り込むと治癒する方向にはたらくという考え方が広く取り入れられるようになりました。また、血液検査のIgEという数値は参考にはなりますが、実際に食べて症状が出るか出ないか確認する負荷試験は不可欠です。IgEの数値が高くても食べられる児はたくさんいます。不必要な除去は厳に慎むべきです。必要最低限の除去と、少量であっても積極的な摂取が治癒への早道です。

こどもの喘鳴、気管支ぜん息

 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューすることを「喘鳴(ぜんめい)」といいますが、喘鳴をくりかえす症状を「ぜん息」といいます。また、病気の名前として「ぜん息」ということもあり、医療者の中でも混乱している状態にあります。特に乳幼児期では病気としてのぜん息、すなわち本当の気管支ぜん息でなくても喘鳴を繰り返すことがありますし、そのような子どものうち「気管支ぜん息」に移行することもあります。また、「小児ぜん息」という言葉を耳にしますが、これは誤った考え方であり「小児の気管支ぜん息」が正しい表現です。小児の気管支ぜん息のほとんどの患児はダニやハウスダストなどにアレルギーを有しています。いずれにせよ、家族歴やアレルギーの有無にもとづき、喘鳴の頻度や1回の大きさから適切な治療・管理すなわち予防を行い、喘鳴を起こさないことが治癒への早道です。年長児では呼吸機能検査等の客観的な検査も必要になります。

乳幼児のアトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返しているもので、多くの患児ではアレルギー素因をもっています。しかしながら、乳児期には多かれ少なかれ湿疹が出現する時期があり、この時期にアトピー性皮膚炎と診断するのは難しいものです。乳児期に適切な治療をされずに、幼児期以降にも持続してしまったのがアトピー性皮膚炎だと考える方もいます。近年では、乳幼児期に湿疹のある部位をはじめ皮膚から食物が身体に入り込んで食物アレルギーを発症するという考え方が、広く取り入れられるようになりました。乳児期には食物が湿疹に悪さをすることは知られていますが、まずはステロイド薬を軸とした外用療法、保湿剤を中心としたスキンケア療法、環境療法を行い、きれいな肌を保つことが重要であり、それでも改善がない場合は食物の除去を考慮します。きれいな肌を保つことは、食物アレルギー予防の可能性もありましょう。

呼吸器内科

過敏性肺炎

 過敏性肺炎とは、抗原(アレルギーの原因となる物質)の反復吸入によって起こるアレルギー性肺炎です。抗原として、真菌(カビ)、鳥の排泄物などの物質が知られています。症状として、発熱、咳、呼吸困難などがみられ、胸のレントゲン写真では、広範囲にスリガラス様の陰影がみられます。急性のものと慢性のものがあり、多くは抗原から離れることにより回復しますが、慢性になると、抗原から離れても病変と症状が続き、進行することがあります。重症となった患者では、ステロイド薬の投与が行われます。

好酸球性肺炎

 好酸球性肺炎とは、血液中の好酸球(白血球の一種)が増加し、胸のレントゲン写真で異常な影がみられる疾患です。いくつかの病型に分類されていますが、頻度が多い病型は、慢性好酸球性肺炎と呼ばれる疾患です。この疾患は、中年の女性に多く、発熱、咳、全身倦怠感などの症状が出現し、慢性に経過します。胸のレントゲン写真では、左右の肺の外側に影がみられることが多いと言われています。治療として、ステロイド薬が良くききますが、再発もみられます。

薬剤性肺炎

 薬剤性肺炎とは、薬剤が原因で肺に炎症が起きる疾患です。原因となる薬剤は、抗菌薬、抗がん剤、漢方薬などいろいろな薬剤が知られています。症状として、発熱、咳、呼吸困難などがみられ、胸のレントゲン写真では、多数の粒状の影、広範囲のスリガラス様の陰影などいろいろな影がみられ、一般的な肺炎と区別がつきにくい影の場合もあります。原因となる薬剤を中止すれば多くのケースで良くなりますが、中には重症化して亡くなるケースもあります。原因となる薬剤を中止しても良くならないケースや重症化したケースではステロイド薬の投与が必要となります。

皮膚科

接触皮膚炎

 外来性の物質が皮膚に接触して起こる皮膚の炎症反応で、発症機序により一次性(刺激性)とアレルギー性に分類されます。アレルギー性は抗原またはハプテンに経皮感作された人に免疫アレルギー機序を介して起こり、遅延型反応が主ですが、一部には即時型反応により生じることもあります。臨床所見としては接触部位に一致して紅斑、浮腫、びらんを生じ、痒みや刺激感を伴うことが多いです。遅延型反応の場合はこれらに紅斑、漿液性丘疹、水疱などを呈する湿疹反応を伴います。発症部位と病歴より原因物質を特定することが治療上も重要で、職業上特に化学物質などに曝露されている場合には詳細な問診により原因物質を特定できることも多いです。また女性の顔面などの場合には化粧品を多数使用していることもあり、それぞれの化粧品の使い始めの時期などの詳細な病歴聴取が必要となります。診断確定のためにはパッチテストを行い、通常48~72時間後に判定とします。治療はステロイド外用および抗アレルギー剤が中心となりますが、生活指導も重要で原因物質からの防御指導が必要です。

アトピー性皮膚炎

 幼少期に発症し増悪消褪を繰り返しながら成人までに寛解することが多いですが、最近は成人以降も症状が遅延化し難治化することが多くなっています。病態の本態はIgE抗体を介するアレルギー性炎症と言われており、さらに皮膚防御機能異常などの皮膚生理的側面がこれに加わります。食物や環境アレルゲンなどに対するIgE抗体を生じ、これらが関与しアレルギー性炎症を皮膚に生じて湿疹性病変が惹起されます。診断は主に臨床症状から行われますが、アトピー性皮膚炎の定義・診断基準が日本皮膚科学会より出されており参考とします。顔面を含む体幹四肢に強い掻痒感を伴う紅斑を生じ、季節により寛解増悪を繰り返します。冬季には乾燥により増悪し、夏季には発汗により増悪することが多いです。思春期・成人に移行すると苔癬化局面がさらに進行拡大し暗赤色で粗造な乾燥を伴う、いわゆるアトピー皮膚を呈するようになります。検査としては各種抗原に対してのRASTを施行し血清IgE値を測定して診断治療の参考とします。治療は皮膚症状に合わせながらステロイド外用剤の強さを調節することが重要となりますが、抗ヒスタミン薬および抗アレルギー剤を併用しながら行っていきます。また詳細な問診により増悪原因と思われる物質を特定していく試みも重要となります。

蕁麻疹

 膨疹と言われる掻痒を伴う限局性浮腫を主症状とし、多くは数時間内で症状の消褪再燃を繰り返します。経過により1か月以内を急性蕁麻疹、1か月以上を慢性蕁麻疹と区別します。また発症原因により寒冷、温熱、コリン性、接触蕁麻疹などに分類されますが、明確な発症原因が特定できないことも多いです。蕁麻疹の本態は、肥満細胞の脱顆粒に伴い放出されるヒスタミンなどの化学伝達物質により血管透過性が亢進することにより真皮内浮腫を生じ膨疹および掻痒感が生じることとされています。診断は数時間内に再発消褪を繰り返す膨疹などの臨床症状から比較的容易です。原因の特定が重要であり、詳細な問診にて寒冷、接触原などについて調べ、また発症要因となるような食物や薬剤の摂取歴についても調べていきます。RASTを施行し、原因と考えられる抗原について血清IgE値を測定し診断の参考にしたり、明確な発症要因と考えられる物質があればスクラッチテスト・皮内反応などを施行して原因の追究に努めます。薬剤性蕁麻疹の場合には必要に応じて内服誘発試験なども施行します。治療は抗原および他の誘因の除去を行った上で、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。

薬疹

 薬剤またはその代謝産物により誘発される皮膚および粘膜の発疹です。発症機序としてアレルギー性と非アレルギー性に大別されますが、前者はⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型の各アレルギー機序またはそれらの複合にて発症する可能性があります。症状としては、主に体幹四肢の浮腫性紅斑および丘疹の多発を中心とする紅斑丘疹型が多いですが、患者の生命予後を含めて臨床上重要となるのが早期における中毒性表皮壊死症・スティーブンスジョンソン症候群・薬剤性過敏症症候群などの重症型薬疹との鑑別です。検査では肝障害・腎障害の確認のための採血・採尿の他に、皮膚生検を行い薬疹の型の確定診断を行うことが重要です。原因薬剤の特定のためにはパッチテスト・スクラッチテスト・皮内テストを施行し、リンパ球幼若化試験なども併用します。必要があれば内服誘発試験も行いますが、症状再現により危険性もあるため検査の適応には十分注意します。治療の基本は原因薬剤の中止ですが、皮疹の早期の軽快のためにはステロイド外用を行い、掻痒感に対して抗アレルギー薬の併用などを行います。重症型薬疹の場合は早期診断治療が決めてとなりますが、中等量から多量のステロイド内服加療が必要となることが多いです。特に薬剤性過敏症症候群の場合には皮疹消褪後のステロイド内服量の減量を慎重に行う必要があります。

耳鼻咽喉科

アレルギー性鼻炎

 鼻粘膜でアレルギー反応が起こることで、発作性反復性のくしゃみ・水性鼻漏・鼻づまりを生じる疾患です。ハウスダストやダニなどによる通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎に分けられます。季節性のなかでスギ花粉が原因のものをスギ花粉症とよびます。

 アレルギー性鼻炎の有病率は約40%で国民病とされます。
 治療はまずマスクなどにより原因物質を回避します。症状が改善しない場合はガイドラインに準じて抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬・ステロイド点鼻薬などを併用し治療を行います。

 手術治療としては、鼻粘膜表面を変性させるハーモニックスカルペル・炭酸ガスレーザーなどがあり、とくに鼻づまりが強い場合には下鼻甲介骨切除術などが行われます。

好酸球性副鼻腔炎

 2000年初頭から報告されるようになった難治性の副鼻腔炎です。アレルギー反応によって、副鼻腔粘膜の炎症・浮腫が生じ、粘稠な鼻漏や鼻づまり、嗅覚障害などの症状を来します。鼻の中にしばしば多発性の鼻茸(はなたけ)が存在します。成人で発症することが多く、下気道病変とくに気管支ぜん息との合併が多くみられます。ぜん息を合併されている方は、発作時に鼻症状も併せて悪化することがよくみられます。副鼻腔炎の改善によって気管支ぜん息の症状の改善がみられることも報告されています。

 抗アレルギー薬の内服やステロイドホルモンの点鼻・内服治療を行いますが、効果が不十分な場合には内視鏡を用いた副鼻腔手術を行う場合もあります。ただし、再発例が多くみられるため手術後も保存的な治療の継続が必要です。

好酸球性中耳炎

 40-60歳代に発症し女性に多くみられます。一般に、「耳が詰まった感じ」や「耳なり」の不快感が強いとされます。 中耳粘膜にアレルギー性反応が起こることで、非常に粘稠(ニカワ状と表現されます)の耳漏や聴力低下を来す疾患です。中耳炎による炎症が継続していることによって通常よりも早いペースで難聴が進行し、突然聾になることがあります。

 気管支ぜん息との合併が多くみられ、ぜん息発作時に耳症状も併せて悪化することがよくみられます。

 一般に手術治療は推奨られておらず、保存的な治療となります。治療の中心はステロイドであり、内服をしたり中耳(鼓膜の奥)に注射で投与することがあります。また多くの場合、アレルギー炎症を抑える目的に抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を併用します。

眼科

アレルギー結膜炎

 アレルギー結膜炎は眼科のアレルギー疾患のほとんどをしめます。1型アレルギー反応が関与する結膜疾患の総称です。その重症度によって下記の5つに分類されます。

アレルギー結膜炎季節性、通年制、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭性結膜炎です。

 一般にアレルギー結膜炎といわれるものは増殖性変化のみられないもので、季節性のものは、花粉症に代表される植物の花粉などで起こるアレルギー症状の一つです。通年性のものは、ハウスダスト、動物の毛などによっておこります。どちらも症状は同じでかゆみを伴う結膜炎で、点眼治療によって症状をおさえます。原因を調べて除去する事も重要です。最近は多種の点眼剤があり個々人によって組み合わせて治療します。

 アトピー性角結膜炎とはアトピー性皮膚炎にともなう角結膜炎、眼瞼炎です。眼瞼炎が重症化することもあり、アトピー性皮膚炎の治療とともに内服、点眼、眼軟膏で加療します。新薬が出ておりステロイド薬以外にも選択肢が増えています。

 アレルギー結膜炎のなかで重症化し増殖性変化を伴うものを、春季カタル、巨大乳頭性結膜炎と分類します。他のアレルギー疾患(ぜん息など)を伴う事も多く、また最近ではコンタクトレンズの使用により悪化することもあります。増殖化した場合は積極的に点眼加療を行い、症状によっては手術で加療する場合もあります。