横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター

受付時間:午前8時15分~午前11時

トピックス

第2回成人ぜん息教室を開催いたしました。

平成28年度 第2回 成人ぜん息教室 開催報告

◆日時 : 平成28年10月26日(水) 15:00~16:00

◆場所 : みなと赤十字病院 3階大会議室

◆開催目的 : 成人喘息の病態と治療について理解していただくことを目的とする

◆対象者 : 一般市民

◆参加者数 : 18名

◆講義内容 : 「ぜん息を知って発作を予防しよう」 アレルギーセンター 片岡看護師

 

アンケート結果(回答者15名)

◆今回の教室は何で知りましたか?

①外来受診時のお知らせ  4名

②院内ポスター  0名

③横浜市広報  9名

④ホームページ  0名

⑤その他  1名

※未回答  1名

 

◆今回の教室は役立ちましたか?

①いろいろ知ることができ、役に立った  7名

②前から知っていることだったが、確認になった  5名

③前から知っていることだったので、あまり必要な内容ではなかった  1名

※未回答 2名

 

◆今回のぜん息・アレルギー教室でどのような話が一番役立ちましたか?(複数回答可)

・吸入薬の吸入方法について(6)

・ぜん息の増悪因子について

・ぜん息発作予防対策について(2)

・治療薬を継続する重要さについて

 

◆今後も参加したいと思いますか?

  1. ぜひ参加したい  7名

  2. 都合がつけば参加したい  4名

  3. 内容による  4名

  4. 参加しないと思う  0名

     

    ◆今後取り上げて欲しいテーマ、ご意見・ご要望・ご感想等

    【テーマ】

    ・ぜん息との付き合い方

    ・新しい治療法や薬について

    【ご感想】

    ・自分の症状はすこし軽いかと思い安心した。

    ・吸入薬の服用方法が参考になった。医師・薬局でも詳しく教えてもらえなかった。

    ・もらったパンフレットが勉強になりそう。

    ・他の参加者の質問が参考になった(2)

    ・ストロー体験で、発作時の息苦しさに驚いた。

    ・自分は発作が起こることがほとんどなく油断しがちになるが、教室を聴講して気を引き締める機会にしている。

    ・風邪をひかない丈夫な体にしておくことが大切だと思った。

     

    【ご意見・ご要望】

    ・風邪、ぜん息の区別が自分でわからない。何科を受診すればよいのか知りたい。

    ・ぜん息発作を起こさないように、元気な時にしておいた方がよいことを知りたい。

    ・吸入ステロイドを使用しているが、あまり効果が無いような気がするので、新薬について知りたい。

    ・マイクの音が聞きづらい。

    ・ぜん息発症に至る経過を何通りも教えて欲しい。

    ・自分がぜん息かどうかわからないので、診断するにはどうすればよいか知りたい。

     

    【質疑応答】

    Q1 喘息の治療で、気管支を直接温める治療があるようですが?

    A1 気管支鏡という内視鏡を使い、狭くなった気管の筋肉を直接、温熱療法のように温めて広げるサーモプラスティという新しい治療法のことではないかと思う。この治療法は、かなり重症喘息の方向けで、色々な薬物治療をしてもなかなか発作がおさまらないという方向けなので当センターでもまだ治療をおこなった患者さんはいません。昨年から保険が適用となり、数は少ないが全国の病院で開始している。ただ、一生に一度しか受けられない治療なので、余程困っている、入退院を繰り返す、度々救急受診をしてしまうという患者さん向けの治療なので、まだ一般的ではない。

     

    Q2 喘息になって1年も経たない。大きな発作は無いが、絶えず痰が絡まっていて、痰との戦いのようだ。治療はシムビコートを1日1吸入、それでよいのか疑問を持っている。

    A2 シムビコートは基本の薬なので絶対やめない。痰は喘息症状のひとつなので、痰が残ってしまう人は痰を切れやすくするお薬の併用があります。スピリーバという気管を広げる薬は、痰の分泌も抑えると言われているので、長期管理薬へ上乗せをします。他に、痰が出やすい肺の病気の併発や、鼻から落ちてきて喉に痰を感じてしまうということもあるので、主治医の先生によく相談を。

     

    Q3 吸入方法の映像でアドエアエアーを吸入する場面があったが、口にくわえた時に口の横から空気も入るようにして吸入とあったが、それはどうしてなのか?しっかり口を閉じて、吸入薬だけ入るのは誤りなのか?

    A3 1回で人間が吸う空気は、成人男性で500ccくらいあります。吸入器をくわえ過ぎてしまうと、あまり空気が入っていかないので1回の換気量は減ってしまうのではないか。薬を吸い込むという面では良いと思うが、奥まで吸い込まないとならないので、その面で余裕があったほうがよいのかと推測されるが、メーカーに確認したいと思う。

     

    Q4 最近、夜中に咳が出て眠れないので、吸入薬を使用している。寝る前にも吸入しているが、うがいはどのくらいやったらよいか?

    A4 うがいは、ブクブク3回、ガラガラ3回を最低限おこなう。

     

    Q5 吸入薬はいつまで続けたら良いのか?病院からどのくらいの期間とは聞いていない。咳喘息と言われた。

    A5 現在、咳喘息は喘息の一部と言われている。5年くらい経過すると喘息になることもあるので、症状があるうちは治療を。症状がなくなっても、元々、気管支が過敏で喘息になりやすい方は治療やめるとすぐにぶり返します。何年くらい治療して、どのような状態になれば薬をやめられるのか、はっきりした科学的根拠はまだない。主治医の先生とよく相談を。自身で症状がなくなったと感じていても、主治医の許可があるまでは継続を。

     

    Q6 喘息になって3年。発作でも無く、普通にしていても呼吸困難で歩けない。普通に歩いてもハアハアして階段が普通に登れない。アドエアとスピリーバを1日2回吸入している。メプチンを処方されており、2吸入しても呼吸困難で歩けないので、つい4吸入くらいしてしまう。1日8回までと言われているが、とにかく呼吸が苦しくて歩けないので一気に使っている。それでもうがいしなくて大丈夫か?

    A6 メプチンはうがいしなくても大丈夫。吸入ステロイドという成分が入っている時は、うがいをしなければならない。スピリーバも吸入ステロイドではないので、うがいは基本的にしなくても良いが、1度にメプチンを4吸入というのは使い過ぎ。心臓にも良くない。元々の予防のお薬が足りていないので大きな発作になってしまっていると思われる。調子のよい時のお薬をもう少しあげてもらうなどの対応がある。夜中でもそこまで苦しい時には救急病院の受診を。メプチンは成人で1回2吸入までとなっており、1回に4吸入は危険。

     

    Q7 普段の生活で気管支を強くする方法は?気を付けることは?

    A7 気管支を強くする方法は残念ながらありません。悪化させない方法は講演にもあったが、自分の増悪因子が分かっている場合は、増悪因子が体内に入らないように、環境整備、ペットを飼わない、風邪をひかない、ワクチン接種等の対策があります。

     

    Q8 香辛料が好きで、わさび等の刺激物をよく食べるがよくないのか?

    A8 辛い物を食べて咳き込むということはある。咳が出やすいタイプかどうかという検査に唐辛子の成分を吸い込んでもらい咳が出やすくなるかっていう検査もある。刺激物でもし咳が出たことがあるという場合は避けた方がよいかも知れないが、食べていて特に問題なければ大丈夫。

     

    Q9 サルタノールを処方されており、発作という発作は起こしたことがないが、ちょっとした咳き込み時にも使った方がよいのか?使った方がよいという人と、使わない方がいいという人がいるが、どのくらいの状態で使ったらよいのか?また、1回2吸入までとあるが吸入の間隔はどのくらいあければよいのか?

    A9 サルタノールは呼吸が苦しい時・咳が出るときに使用して下さいとお話ししています。喘息の方は発作の予兆があるようなので、大発作になる前に早目に使用して下さいと指導をしています。吸入の間隔は、1吸入後1~2分おいて2吸入目をおこなってもよい。

     

    Q10 講演のなかで風邪をひいた時に自己判断で市販薬を飲まないでくださいとあったが、今まで何度も、市販薬のパブロンを服用しているがどうか?

    A10 今まで服用して何もなければ大丈夫。一部の方で、服用して喘息が悪化する方は注意が必要です。

     

    Q11 横浜市の広報をみて初めて教室に参加したが、今後、教室の内容は変更しながら、コンスタントに開催する講座なのか?

    A11 年間を通して3回開催している。毎回、テーマは変えているが、喘息の治療や発作予防に重点を置いています。毎年、第2回目は看護師が環境整備や秋冬に向けての発作予防についてお話ししている。土台の部分はあまり変わらないかもしれませんが、新しい情報があれば上乗せしてお伝えしております。開催案内は院内ポスターや広報よこはまにてご案内しています。