横浜市立みなと赤十字病院泌尿器科

右(左)の背中が痛い、血尿がでる


考えられる原因

 左右どちらかの背中が急に痛くなり血尿も伴う場合は尿管結石の可能性があります。明かな血尿を伴わない場合も、怪我やぎっくり腰とは異なる急な背部痛の場合は結石かもしれません。腰痛、神経痛とは、1)動作時、安静時で痛みがかわらない、2)背部をたたくと響く、3)押してもいたくない、4)真ん中(背骨)ではなく、左右どちらかの背部 など特徴が違いますが症状が軽度だと分かりにくい場合があります。 結石を疑い場合はご相談ください。

尿路結石は、結石の場所によって、腎結石尿管結石があります。結石は通常は腎臓で発生し、尿管に落ちてきたものが尿管結石です。
 尿管は細いため、結石が尿管内で尿の流れを妨げたり、粘膜を傷つけたりすると、痛みや出血の症状がでます。この場合、尿管が痙攣をおこして急激に症状が出現しますが、痙攣が収まると結石は同じ場所にあっても症状は改善します。結石により尿の流れが障害された場合は水腎症(腎臓に尿が鬱滞してはれた状態)となります。
 腎臓は空間が広いので腎結石では痛みや出血の症状は通常はありません。また、膀胱内に落下した結石は通常は尿ともにすみやかに排出されます。
 結石は6-8㎜程度であれば自然に排石することが多いのですが、それ以上の大きさでは排石は困難なため、砕石の治療をお勧めします。
行われる検査

>問診
 痛みの経過や症状、血尿の有無などの症状をうかがいます。尿管結石が膀胱近くに下降した場合は、膀胱刺激症状(頻尿・排尿時痛・残尿感)が出現する場合があります。。

>尿検査
 顕微鏡にて血尿かどうかを調べます。

>超音波検査
 機械をおなかにあてて、水腎症の有無を確認します。尿管結石では多くの場合に水腎症を起こしています。また腎臓内や膀胱内に結石の有無を診察します

>レントゲン検査
 結石を疑う場合に腹部レントゲンを行います。小さい結石や骨と重なる部位では結石が分からない場合があります。

>CT
 結石の存在が不明な場合や判断に困る場合はCTにより診断します。

>造影検査(予約)
 腎臓から膀胱までの尿路の閉塞状態を調べる場合に造影剤を点滴してレントゲン検査を行います。

治療
>体外衝撃波結石破砕術
 体外から衝撃波を発生させ、皮膚を通して結石を崩す治療です。
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>経尿道的尿管結石砕石術
 尿道から尿路に逆行性に内視鏡を挿入して直接結石を見ながら、レーザーやリソクラスト(砕石装置)により結石を崩します。
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