横浜市立みなと赤十字病院泌尿器科

尿潜血が陽性といわれた.血尿がでた


考えられる原因

 検診などで、尿潜血陽性といわれた場合、見た目が血尿でなければ顕微鏡的血尿偽陽性の可能性があります。

 詳しい尿検査で顕微鏡的血尿と診断された場合、その原因として1)感染、2)結石、3)悪性、4)腎炎、5)その他の可能性を考え、超音波検査を行い診断します。必要に応じて、レントゲン、尿細胞診、造影検査などを追加で行う場合もあります。一番重要なことは、悪性腫瘍を見逃さないことですが、顕微鏡的血尿で悪性腫瘍が見つかる確率は5%以下です。また、多くの場合は特発性血尿(原因不明)です。ただし、しっかり調べることは重要です。検診で異常を指摘された場合はご相談ください。

 眼で見てわかる血尿(肉眼的血尿)がでた場合は、1)結石、2)出血性膀胱炎、3)膀胱癌、4)その他が疑われます。特に、腰背部痛や下腹部痛も伴う場合は結石が、頻尿・残尿感を伴う場合は出血性膀胱炎が疑われます。
 症状がない血尿無症候性肉眼的血尿)は要注意です。膀胱癌が見つかる場合がありますので、血尿が改善しても必ず受診してください
行われる検査

>問診
 血尿に伴う具体的な症状をうかがいます。膀胱刺激症状(頻尿・排尿時痛・残尿感)や結石による背部痛などをお聞きします。

>尿検査
 顕微鏡にて血尿かどうか、感染を伴っていないかを調べます。

>超音波検査
 機械をおなかにあてて、水腎症や結石の有無、膀胱内の結石や腫瘍の有無、前立腺肥大症の程度などを診察します

>レントゲン検査
 結石を疑う場合に腹部レントゲンを行います。

>尿細胞診
 尿に悪性細胞が混入していないか、特殊な薬品で染色して調べます。悪性の可能性を5段階で評価します。結果は数日かかるため、当日はわかりません。また1回の検査で異常がなくても完全に悪性を否定できるわけではないことに注意が必要です。

>造影検査(予約)
 腎臓から膀胱までの尿路に腫瘍や結石を疑う場合に造影剤を点滴してレントゲン検査を行います。

>膀胱鏡検査(予約)
 膀胱腫瘍を疑う場合に尿道から内視鏡を挿入し、膀胱内を観察して腫瘍の有無を調べます。