横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター

受付時間:午前8時15分~午前11時

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2019年度第1回成人ぜん息教室を開催しました

2019年度 第1回成人ぜん息教室 開催報告

◆日時:2019年6月5日(水) 15:00~16:00

◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室

◆開催目的:成人喘息の病態と治療について理解していただくことを目的とする

◆対象者:一般市民

◆参加者数:28名(当院:17名 他院:10名 その他:1名)

◆講義内容:「ぜん息の治療薬はどのように増やしたり、減らしたりを決めているか」

                    アレルギーセンター長 中村 陽一医師

アンケート結果(回答者24名)          

◆今回の教室は何で知りましたか?

①外来受診時のお知らせ 6名

②院内ポスター               0名

③横浜市広報              15名

④ホームページ             1名

⑤その他                    2名

 

 

◆今回の教室は役立ちましたか?(複数回答あり)

①いろいろ知ることができ、役に立った                                                    18 名

②前から知っている事だが確認になった                            4名

③前から知っていることだったので、あまり必要な内容ではなかった              1名

※回答なし                                                     1名

 

 

◆今回の教室でどのような話が一番役立ちましたか?(複数回答可)

・ぜん息の症状コントロールが重要であることを再認識した

・治療薬の増減方法方について

・中等症は横になれない、重症は話が出来ない、救急車要請の基準について

・ぜん息の判断は難しい、薬量を減らし最終的に辞められることもある事を知った

・きちんとした治療方法を再確認できた

・治療薬の最適な使用方法、食前吸入が良い事

・具体的な薬の減らし方

・吸入器の重要性

・ピークフローの活用について

・質疑応答の内容

・掛かりつけ医に質問しにくい事等、参加者の意見

・発作時のアクションについて

 

◆今後も参加したいと思いますか?

①ぜひ参加したい                     14名

②都合がつけば参加したい          8名

③内容による                               2名

④参加しないと思う                       0名

 

◆今後取り上げて欲しいテーマ、ご意見・ご要望・ご感想等

【テーマ】

・ぜん息の薬の副作用について

・医者視点の患者に知っておいて欲しい知識

・ぜん息の鑑別について

 

【ご意見・ご感想】

・毎回、新たな発見があり、自分自身のぜん息への取り組みを振り返るきっかけになる。

・個人的な質問にも答えて下さりありがたかった。

 

【質疑応答】

Q:現在レルベア200を吸入しています。今後、薬をやめることはできますか?

 

A:吸入薬を中止できる方もいますが、強い治療をしている方が治療を直ぐに中止することはできないです。半年を目途にステロイドの量を減らしていきます。レルベアは気管支拡張薬と吸入ステロイドが入っている吸入薬です。減量の方法は2つあります。一つ目は気管支拡張薬をそのままの量で吸入ステロイドを半分量の100へ減量します。2つめは吸入ステロイドを同量で気管支拡張薬を外します。
喘息の客観的評価として呼吸機能検査と呼気一酸化窒素を測定する方法があります。その結果によってどのように減量していくかを決めます。
発病2年以内に適切な治療を行うことで吸入ステロイドを中止できるとは言われています。

Q:9月から喘息の治療を行っています。レルベアを1日おきでも良いと言われました。また、咳が出る時はモンテルカストを内服する様に言われています。治療についてどの様に思われますか。

A:レルベアは24時間効果が持続する薬です。1日おきに吸入すると完全に体内の薬剤がなくなるわけではないが、治療をしたりやめたりしていることになっています。毎日吸入する方が良いです。モンテルカストも頓用の薬ではなく毎日使う薬です。

Q:レルベアを吸入しています。胃カメラをした時、喉にカビがあると言われました。吸入薬が原因かもしれないと言われたので吸入をやめてよいか主治医に聞いたが、呼吸機能検査の結果から中止はできないと言われました。どうしたらよいですか。

A:レルベアからエアゾール製剤に変えたり、食前に吸入したりすることで改善されることがあります。それでもカビが改善しないときはカビに対する薬を使う事も必要となります。

Q:小学生で喘息を発症したが症状がない為、治療を途中で中止しました。今年の5月、喘息発作がありフルティフォームを吸入することになりましたが声がかれる事があります。どうしたら良いですか。

A:吸入薬を変更するか現在症状が無く呼吸機能が悪くなければ薬剤量を減らす事で声がかれる事を改善できる可能性があります。また、食前に吸入することも声がかれる事を改善できる可能性があります。主治医と相談してください。

Q:レルベア200を吸入していたが調子がよく100へ減量したら呼吸が苦しくなったので200へ増量しました。今後どうしたら良いでしょうか?

A:吸入薬を200から100へ減量したら息苦しくなり200へ戻したら改善したのであれば減量しない方が良いです。呼吸機能検査を行うと客観的に評価できます。減量して息苦しい時に呼吸機能検査を行って悪くなっていたら薬を減量しない方がよいです。

Q:昨年の12月、寒くなるのでアドエアが1吸入から2吸入へ増えました。ピークフローを測定しましたが数値は変化がないです。症状がなく心臓の治療をしたことがあるので1吸入へ戻した方がよいと思っていますがいかがでしょうか。

A:アドエアは1日2回、1回2吸入する薬だが心臓が悪い方やコントロールが良い時は1回1吸入にする方がいます。不整脈や心臓に影響があるのであれば減らさなくてはいけません。悪くならなければ1吸入へもどしてもよいと思いますが主治医と相談してください。

Q:1年ぐらい前に咳喘息といわれました。NOは33でシムビコートが開始とりました。先月NOを測定したら34となっていました。どのようにとらえたらよいですか。

A:NOが33が34になったのは誤差として考えてよいです。NOの数字だけで判断するのは適切ではないです。

例えば吸入開始前に200など高値の方が治療を開始したら下がったのであれば指標になりますが、高くなければ参考値と考えます。NOだけでなく呼吸機能や症状をみていくことが大切です。

Q:咳がでるため受診しました。喘息なのか知りたいです。

A:軽い咳や咳喘息の場合は診断が難しいです。耳鼻科疾患や逆流性食道炎の場合もあります。まずは専門医に受診することが大切です。

Q:喘息を診療してくれる先生を探す場合はどうしたら良いか。

A:日本アレルギー学会のホームページで呼吸器を診てくれるアレルギー専門医を探してください。