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平成30年度第1回 関節リウマチ教室 開催報告
◆日時:平成30年5月15日(火) 15:00~16:00
◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室
◆開催目的:病気に対する理解を深め、上手に付き合っていけるようにすることを目的とする。
◆対象者:通院患者さん及び一般市民
◆参加者数:46名(当院 7名 他院 33名 その他 6名)
◆講義内容:「関節リウマチの薬物療法」膠原病リウマチ内科 部長 萩山裕之医師
アンケート結果(回答者数 34名)
◆内容についての感想
①とてもわかりやすかった 10名
②わかりやすかった 16名
③あまり理解できなかった 5名
④わかりづらく理解できなかった 1名
※未回答 2名
◆今回の関節リウマチ教室でどのような話が役に立ちましたか?
・生物学的製剤について(3)
・薬の副作用について(6)
・ステロイド薬について(2)
・エスケープ現象について
・関節リウマチの定義について(2)
・寛解定義について
・関節リウマチの全体像について(2)
・関節リウマチの症状の進行について(3)
・関節リウマチ治療の薬について(7)
・関節リウマチの治療の進め方について
◆日常生活を過ごす中で、リウマチについてお困りの事や不安はありますか?
・起居動作の際に手首に痛みがでることがある
・車の運転は関節に負担がかからないか心配
・再発したので不安
・ステロイドを長期的に投与することへの不安がある(2)
・両足首が‘かくん’となることが最近よく起こるので不安
・通院している病院では触診をしてもらっていない
・メトトレキサートを服用しているが痛みの範囲が広がっている(3)
・朝のこわばりが不自由に感じる
・生物学的製剤はいつまで続けなければいけないのか(2)
・手足の痛みがつらい(4)
・とにかく痛い(2)
・症状の改善がみられないことが不安
・薬の副作用が心配
・関節がギシギシと音がするのだがそれでも動かしている方がよいのか
・自分で希望した治療で、この先がどうなるのか不安
◆今後リウマチ教室で聞きたいテーマはありますか?
・シェーグレン症候群について
・間質性肺炎について(2)
・日常生活の注意点について(2)
・関節リウマチの治療例について
・生物学的製剤の治療費について
・寛解が難しい患者に対しての治療法について
◆その他、ご要望、ご感想等
〈質問〉
・関節リウマチだと保険に加入が難しくなるのか
・不調を感じたらどのタイミングで受診するべきか知りたい
・整形外科やリウマチ科を標榜していない病院ではリウマチを疑わずに腱鞘炎と言われ治療開始が遅くなってしまった。それは一般的なのか。
〈要望〉
・質疑応答の時間をもう少し長く欲しい
〈感想〉
・昨年の第3回から参加しているが、本からの知識だけだったのでとても役に立っている。
・親がリウマチだったので自分もなるのではないかと不安を抱えている。ばね指や関節の痛み=リウマチなのでは?と考えてしまう。
・専門用語が多くて難しかった(3)
・関節リウマチをもっと深く勉強したいと思った
◆質疑応答
Q1:去年から手指に痛みがあり雑巾がしぼれない、物を手で押さえられないことがあった。転倒して整形外科で診察した際に、リウマチの検査をしてもらったがリウマチではないと言われた。またその際に「足の骨が一部無いよ」と言われたが、その骨はどこにいってしまったのか?まだ続いている痛みはなんなのか?痛みが続き不安だが、治療法はないのか?
A1:リウマチ性疾患というのは関節や筋肉の痛みを伴う病気の総称です。それを踏まえて、整形外科の先生は関節リウマチではないと言われたのではないかと思われます。どこが痛いのか?が重要で、関節なのか、筋肉なのか。関節が痛いのであれば、変形性関節炎など様々な病気があるので診断をつけることが大切です。診断がつかないと治療方針が決まってこないので、整形外科の先生にしっかり検査してもらうのが良いのではないかと思います。
Q2:乾癬性関節炎とリウマチとの決定的な診断の違いは何か?
A2:リウマトイド因子、抗CCP抗体が出て来ず、乾癬を伴っているのがひとつの特徴です。それ以外には関節の腫れ方が違います。関節リウマチでは第一関節はあまりおかされないと言いましたが、乾癬性関節炎は第一関節が侵されます。また関節の腫れも関節リウマチは滑膜炎ですが、乾癬に伴った関節炎は腱付着炎が主たる病態と言われています。
Q3:メトトレキサートは降圧剤のように、飲みはじめたら一生飲み続けないといけないのか?
A3:メトトレキサートは乾癬性関節炎にも乾癬にも良く効きます。ただし、保険適応はないのですが。どこまで続けるか?は難しいところですが、希望があれば年単位で状態がよければ少しずつ減量していき、再発がなければそのまま止めるのも手ではないかと思います。しかし、私の場合は年数だけで減量することはありません。副作用である血球減少などがあれば少しずつ減量し、中止する方はありますが。先生それぞれの考えがあると思います。
Q4:4年前よりオレンシアを使用しているが、蜂窩織炎になったり、風邪の症状が続いたりした。蜂窩織炎になった際には、いったん中止し、また再開した時には関節の激痛があった。薬の止め時、変え時っていつなのでしょうか?考えたほうがよいか?
A4:生物学的製剤が止められるかについては、現在研究されている途中ですが結論は出ていません。状態が悪いときに薬を中止するという選択肢はありません。効果があるかないかに関しては、オレンシアでしたら半年くらい経過をみて判断します。効果が不十分な場合は、内服薬を足すことによって効果がアップすることがあるので足すか、内服薬が飲めず他の候補薬があればチェンジするかしつつ、半年くらいで見極めます。