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平成29年度 第2回 成人ぜん息教室 開催報告
◆日時:平成29年11月1日(水) 15:00~16:00
◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室
◆開催目的:成人喘息の病態と治療について理解していただくことを目的とする
◆対象者:一般市民
◆参加者数:11名(当院:4名 他院:4名 その他:3名)
◆講義内容:「もっと知ろう!吸入療法のこと」 アレルギーセンター看護師 片岡美咲
アンケート結果(回答者10名)
◆今回の教室は何で知りましたか?
①外来受診時のお知らせ 3名
②院内ポスター 2名
③横浜市広報 5名
◆今回の教室は役に立ちましたか?(複数回答あり)
①いろいろ知ることができ、役に立った 5名
②前から知っていることだったが、確認になった 3名
③前から知っていることだったので、あまり必要な内容ではなかった 0名
※無回答 3名
◆今回の教室でどのような話が一番役立ちましたか?(複数回答可)
・ぜん息の概要について
・吸入薬の種類と特徴について
・鼻炎にも効く吸入方法について(3)
・吸入を継続することの大切さ
◆今後も参加したいと思いますか?
①ぜひ参加したい 2名
②都合がつけば参加したい 7名
③内容による 0名
④参加しないと思う 0名
◆今後取り上げて欲しいテーマ、ご意見、ご要望、ご感想等
・吸入薬を鼻から吐くと鼻の奥にも届いて良いという話を聞いて、早速練習したいと思った。
・他院通院をしているが、吸入指導を受けることができて嬉しかった。
・自分はぜん息患者ではないが、もう少し勉強してみたいと思った。
・発作を起こした場合の対処法を知りたい。
・「風邪からくる咳」と「ぜん息からくる咳」の見分け方
・ぜん息は長期にわたる疾患なので、日常生活での注意点を色々と聞いておきたいと思った。
◆質疑応答
Q1 患者さんに適したデバイスとありますが、デバイスってなんですか?
A1 デバイスとは「器具」という意味です。
Q2 吸入器一覧とありますが、ここには長期管理薬と発作治療薬が混在しているようですが、どれが発作治療薬なのか分かりません。
A2 今回はドライパウダータイプとエアゾールタイプ・ミストタイプというデバイスの種類により分類してご紹介したので、長期管理薬と発作治療薬の表記はしていません。基本的には短時間作用型の気管支拡張薬が、発作治療薬に相当します。なお、発作治療薬のメプチンは、エアゾールタイプとドライパウダータイプがあります。
Q3 例2の風邪薬と吸入薬を一緒に使ってよいか?というところについてですが、風邪薬にもいろいろ種類があると思うので飲み合わせが悪いものもあると思うので、この例でよいか悪いのかわからなかった。飲み合わせを考えたら、長期管理薬とは相性が良いが発作治療薬とは相性が悪いとかあるのか?その逆などあるのか?
A3 喘息発作のきっかけは何かの刺激で空気の通り道(気道)に炎症を起こして発作が起きるので、風邪・インフルエンザなどの感染症をきっかけに発作となることもあります。その場合、喘息の治療は中止せず、感染症の治療と2本立てで行なうのが通常です。飲み合わせについては、感染症の薬と喘息の吸入薬はほとんど問題ありません。むしろ、感染症のときに喘息の治療は止めないでください。止めてしまうと呼吸状態が悪化したり、喘息発作になりやすかったり、咳が長引いてしまうことがあります。ごくまれに内服薬で相性のよくない組み合わせもありうるので、処方してもらう時にはお薬手帳を持参して先生に確認してもらうのが良いと思います。
Q4 アレルギー体質の方でアレルギー性鼻炎がある人が喘息になる人は多いのですか?
A4 多いといわれています。空気の通り道で上にあるのが鼻、下に行くと気管支を通して肺に行きます。アレルギー性鼻炎と気管支喘息は同じ空気の通り道に起こるアレルギーの炎症が原因であるため、鼻か気管支かの場所によって症状は違いますが、とても関連があります。鼻炎症状が良くなると喘息症状も良くなりやすいことも知られています。
Q5 吸入薬を吸って口から吐いていたのですが、雑誌でアレルギー性鼻炎の方は鼻から吐くと鼻炎にも効果的と書いてあったので鼻から吐いているのですが、その時に適した吸入薬は粒子が細かいものが適しているとなっていました。粒子が細かく鼻炎にも効果的な吸入薬は具体的にはどれでしょうか?
A5 処方される薬はどれも粒子がとても小さく、ほとんどのものは平均約1~5μm(ミクロン)
程度です。多少の個人差はありますが、基本的にはどの吸入薬でも試してみる価値があります。
Q6 整形外科に通っており、鎮痛剤・湿布の副作用で喘息って書いてあったのですが、痛いときや
風邪のときなどには使いたいのですが、我慢するしかないのでしょうか?
A6 解熱鎮痛薬と喘息には人によって相性があり、喘息の約1割の方は相性が悪いということがわかっています。いわゆる「アスピリン喘息」と言って、解熱鎮痛剤を服薬すると喘息発作が出てしまうことがあります。すべての人が解熱鎮痛剤・湿布を使って発作が出てしまうわけではなく、残りの約9割の方は慎重に服薬すれば問題ないと考えられます。整形外科や歯科などの医療機関で鎮痛剤もらうときには、喘息の治療を受けているということを担当の先生に伝えてください。