トピックス
◆日時:平成28年11月1日(火) 15:00~16:00
◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室
◆開催目的:病気に対する理解を深め、上手に付き合っていけるようにすることを目的とする。
◆対象者:通院患者さん及び一般市民
◆参加者数:45名(当院 8名 他院 26名 その他 11名)
◆講義内容:「関節リウマチの合併症」 膠原病リウマチ内科部長 萩山裕之
アンケート結果(回答者数 37名)
◆内容についての感想
①とてもわかりやすかった 10名
②わかりやすかった 20名
③あまり理解できなかった 5名
④わかりづらく理解できなかった 0名
※未回答 2名
◆今回の関節リウマチ教室でどのような話が役に立ちましたか?
・合併症について(9)
・薬の副作用について(7)
・ステロイド薬の効果と副作用について(5)
・関節外症状について
・薬の服用方法について
◆日常生活を過ごす中で、リウマチについてお困りの事や不安はありますか?
・疲れやすい(2)
・メトトレキサートを使っているが、ずっと続けなければならないのか。
・今より良くなるのか、逆に悪化するのか不安(2)
・かかりつけに通院しているが、大きな病院に通院しないといけないのか。
・血液検査自体は落ち着いているが、変形による痛みがある。
・エンブレルを使用して6年が経過するが、日々痛みも無く生活できている。今後も良い状態が続くのか不安になるときがある。
・起床時に足裏、膝が痛く、立ち上がるまで時間がかかる。
・指の関節が痛い
・足裏の痛みやしびれに困っている(2)
・寒い時期になると膝に重さを感じる。
・体のやわらかい部分の湿疹に悩んでいる。
・手が硬くなり動かない(つっぱった感じ)
・リウマトレックスを長期使用しているせいか、肝機能の数値が高い。リウマトレックスを止めれば正常にもどると言われたが、止める訳にもいかないという状況に困っている。
・指の腫れで箸が持てなくなる時があるので心配。
・金銭面での不安
・家事が大変。
・口内炎や口唇ヘルペスに頻繁になる。
・若年者と高齢者で病気の進行に違いはあるのか。
・ステロイドは続けてよいのか。
・メトトレキサート使用開始後から脱毛の症状が続いている。
◆今後リウマチ教室で聞きたいテーマはありますか?
・薬の効果について
・症例と薬の種類による効果の相関について
・予防の為の生活習慣や食事、運動など(3)
・感染症について(2)
・薬の副作用について
・発症のメカニズムについて
◆その他、ご要望、ご感想等
・次回のリハビリテーションも期待している(3)
・資料をもらったので家でじっくり勉強したい。
・あまり難しく考えず、ゆったりと先生の話を聞いていると安心する。
・主治医にリウマチではないと言われ、取り合ってもらえず困っている。
・個別相談の時間を設けて欲しい(2)
・間質性肺炎についてもっと聞きたい。
・運動やウォーキングのし過ぎはよくないのか。
◆質疑応答
Q1 抗リウマチ薬を毎日服用している。8月の初めから両足の裏が非常に痛くて、歩くのが大変。これは合併症なのか?
A1 足の裏・指の付け根あたりであればMTP*関節という関節で、リウマチの合併症ではなく、関節炎が起こっている可能性がある。診察で痛みの部位がどこなのか確認することはとても大切なので、主治医と足の痛みの原因についてよく相談を。関節炎があるのであれば、治療の強化も必要かと思う。
*MTP関節…中足指関節。足の指の付け根にある関節を指す。
Q2 CRP*を7週に1度検査している。CRP数値は0.5が基準ですが、0.2や0.1の正常範囲に入っていても関節が痛むのですが。
A2 小さな関節の場合は、炎症反応が全然出なくても関節だけ腫れているということはある。CRPは陰性でも関節は腫れているということはあり、リウマチの治療をするとよくなる患者さんがいる。CRP数値はよい指標ではありますが、全てを示す訳ではない。
*CRP…炎症・感染症の指標のこと
Q3 CRPが正常の値であっても、関節が腫れていることはあるのか?
A3 腫れていることはある。超音波(エコー)を診察に取り入れている施設もあるので、滑膜に炎症がないかを調べてもよいと思う。
Q4 配布資料にある、生物学的製剤使用時の高い頻度の感染症の中に「蜂窩織炎」とあるが、どんな症状なのか?見た目でわかるのか?
A4 「蜂窩織炎」は皮膚の感染症です。皮下組織に菌が入り化膿し、腫れて痛むという症状です。人によっては熱がでることもある。
Q5 以前、注射で治療をしていたがやめた。2年くらい前から、また痛みが再燃して注射での治療を再開した。寛解を目標に治療しているが、いつまで続くのか?ヒュミラ以外でもっと安価な治療薬はありますか?
A5 生物学的製剤(バイオ製剤)を使っていて良くなって休薬すると、ある期間はいいけれど再燃してしまうという患者さんがいます。このため、バイオフリーではなくバイオホリデー(バイオ製剤を使わない休日)という言い方もされます。生物学的製剤を再開するとよくなりますが、費用の問題がある患者さんは安価な内服薬を組み合わせて使うことが多い。ただ、それでうまくいく方もいれば、うまくいかずにバイオが再度必要になる方もいる。