横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター

受付時間:午前8時15分~午前11時

トピックス

第3回成人ぜん息教室を開催いたしました

平成27年度 第3回成人ぜん息教室 開催報告

◆日時:平成28年2月17日(水) 15:00~16:00

◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室

◆開催目的:成人喘息の病態と治療について理解していただくことを目的とする

◆対象者:一般市民

◆参加者数:19名

◆講義内容:「ぜん息の原因になる吸入性アレルゲンについて~原因と対策~」

                 喘息アレルギー内科部長 遠藤順治医師

 

アンケート結果(回答者17名)

◆今回の教室は何で知りましたか?(複数回答可)

①外来受診時のお知らせ 8名

②院内ポスター 2名

③横浜市広報 6名

④ホームページ 0名

⑤その他 1名

 

◆今回の教室は役立ちましたか?

①いろいろ知ることができ、役に立った 13名

②前から知っていることだったが、確認になった 2名

③前から知っていることだったので、あまり必要な内容ではなかった 0名

※未回答 2名

 

◆今回のぜん息・アレルギー教室でどのような話が一番役立ちましたか?(複数回答可)

・ダニ対策について(6)

・効率的な掃除の方法について(3)

・色々なアレルゲンについて(8)

・血液検査の結果について

・ハウスダストについて

・貯蔵庫ダニについて(2)

 

◆今後も参加したいと思いますか?

①ぜひ参加したい                  7名

②都合がつけば参加したい          7名

③内容による                       2名

④参加しないと思う                 0名

※未回答 1名

 

◆今後取り上げて欲しいテーマ、ご意見・ご要望・ご感想等

【テーマ】

・喘息の薬の効能と副作用について(2)

・喘息発作の応急処置について

・アレルギー体質について

・眼の疾患について

【ご意見・ご感想】

・今回は基本の話だったので、とてもためになった。

・今回のように日常生活で気を付けるべきことの話がとても参考になる。

・資料の写真がもう少しはっきりと見えたらよいと思う。

・小麦粉のダニを防ぐ保存方法については知らなかったので参考になった。

・花粉と果物・野菜の交差反応性の話を聞き、自分が好きな野菜が入っていたので心配になった。

・他の患者さんが、どのような喘息症状で困っているのか知りたい。

・またこのテーマを取り上げて欲しい。

・自宅が幹線道路に近く、砂埃や排気ガスが多いと感じているのでマスクの着用が必要だと思った。

 

◆質疑応答

Q1 布団をたたむ時に窓を開けてホコリを外に出すようにしているが、マスクはした方がよいのか。

A1 ダニやカビ、ハウスダストが直接体内に入るリスクが減るのでできればマスクを装着する。

 

Q2 ハウスダストは普段目に見えないが、太陽の光が差し込むと空中に舞って見えるものもハウスダストなのか。

A2 ハウスダストは屋内のどこにでもあり、手や掃除機の届かない所にもたくさんある。

 

Q3 ハウスダストを減らすために、家具は移動して掃除した方がよいのか。

A3 ハウスダストは家具の上や下、裏側にもある。可能であれば家具は時々移動して掃除した方がよい。キャスター付きの家具であれば移動しやすいし、掃除もしやすい。

 

Q4 掃除の際、はたきは使わない方がよいのか。

A4 はたきはハウスダストを舞い上げてしまうが、うまく使用すればよい。先に掃除機を使用すると排気でハウスダストを舞い上げてしまい、室内を汚染させてしまうことになりやすい。ハウスダストを舞い上げずに掃除するには、先に拭き掃除をしてから掃除機を使用すると効果的。

 

Q5 はたきではなく、ホコリをシートに吸着させるもので掃除したほうがよいのか。

A5 ハウスダストを舞い上げずに静かに掃除する方法で使用できればよい。シートタイプのものも、ウエットタイプで拭いてからの方がより効果的。

 

Q6 空気清浄器で空気中に浮遊しているカビやハウスダストは吸い取れるのか。

A6 部屋の大きさに合っていない空気清浄機は、局所的な部分しか空気清浄を行わず狭い範囲のカビやハウスダストしか吸い取らないので、遠い所や部屋の隅までは吸い取らない。部屋の大きさに見合ったものを使用すれば、部屋全体のカビやハウスダストを減らす効果は期待できると言われている。

 

Q7 10年前に血液検査でアレルゲンテストを行ったが、経過年数と共に反応は変化するのか。

A7 10年前と現在の状態を比べると体の免疫状態も変化しているので、再度検査してみる方がよい。10年前と比べて違う結果が出る可能性もあり、以前は反応しなかったものが陽性となることもある。

 

Q8 喘息発作を起こすほどの喘息ではないが、何のアレルゲンに一番反応して喘息症状が出るのか把握できていないので、再度アレルゲンテストをした方がよいのか。

A8 血液検査は万能ではないが、前回から時間が経過しているのならば再度行う価値はある。

 

Q9 アレルギーの原因が分からない場合は、全ての項目の血液検査を行うのか。

A9 アレルギーの原因になる頻度の高いアレルゲンがおおよそ分かっているので、それを基に重要な項目から順番に検査している。

 

Q10 寝具にハウスダストが多いと知ったが、ベットマットは重たくて外に干すことが出来ない。どのように対策したらよいか。

A10 できれば掃除機でマットの表裏のハウスダスト等を吸い取ることが有効。寝具の掃除や洗濯は喘息と関係ないと思われるかも知れないが、非常に効果があることが分かっている。薬で治療するだけではなく、環境整備をしっかり行うことで症状を起こす原因が体内に入ることが減り、喘息のコントロールもつきやすくなり、薬の量を減らすこともあり得る。

 

Q11 開封後のお好み焼き粉の中にダニがいることがあるということを知ったが、お好み焼きは焼くものなのでダニは死ぬはずだがどうなのか。

A11 アレルゲンになるものの存在が問題であり、ダニが生きているか死んでいるかは関係がない。

 

Q12 アレルギー性鼻炎で声が上手く出なかったり、咳が出たりすることがある。花粉が原因と言われているがこの症状はダニとは関係ないのか。

A12 アレルギー性鼻炎とぜん息には深い関係があり、どちらかの疾患が良くなればもう一方の疾患もよくなる。アレルギー性鼻炎は複数の原因があり、花粉が原因なことが多いが、ダニが原因のこともある。

 

Q13 ペットの毛やフケが公共交通機関にもあると知ったが、たばこの受動喫煙のようにそれに相当するものが受動的に影響するのか。

A13 実際にあるといわれている。