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平成27年度 第2回 関節リウマチ教室 開催報告
◆日時:平成27年7月13日(月) 15:00~16:00
◆場所:みなと赤十字病院 3階大会議室
◆開催目的:病気に対する理解を深め、上手に付き合っていけるようにすることを目的とする。
◆対象者:通院患者さん及び一般市民
◆参加者数:22名(当院 4名 他院 14名 その他 4名)
◆講義内容:「関節リウマチの手術療法」整形・関節外科 部長 浅野浩司 医師
アンケート結果(回答者数 16名)
◆内容についての感想
①とてもわかりやすかった 7名
②わかりやすかった 9名
③あまり理解できなかった 0名
④わかりづらく理解できなかった 0名
◆今回の関節リウマチ教室でどのような話が役に立ちましたか?
・手術が最後の手段ではないとの認識が持てた。
・人工関節置換術について(2)
・薬の進歩により、手術の内容も良い方向に変化してきているということ。
・大変気を遣って手術が実施されていること。
・手術療法の最近の傾向がわかってよかった。
・治療の開始時期について。
・関節リウマチの原因と悪化する過程について。
・手術の選択肢があること。
・手術の方法について
◆日常生活を過ごす中で、リウマチについてお困りの事や不安はありますか?
・歩行が少々困難。
・家事が不便
・外反母趾の為、足底の魚の目が痛い。定期的に取り除いて、痛みを解消している。
・筋力低下により、体力が消耗しやすい。
・天候不良や使いすぎた時などに、膝関節が痛くなったり、力が入らずよろけてしまったりする。
・薬の副作用。
・外出の頻度が変わった。
◆今後リウマチ教室で聞きたいテーマはありますか?
・リウマチと腱鞘炎の境界について
・日常生活や動作、運動等の注意点について(2)
・免疫力の向上について
・体力増強の方法について
・風邪をひいた際の対応方法について
◆その他、ご要望、ご感想等
・リウマチか否かが疑問の状況なので、受診の必要性を感じた。
・サプリメントの使い方をもう少し詳しく知りたかった。
・上肢の手術療法の実例についても聞きたいと思った。
・手術方法などがわかり、安心した(2)
・質疑応答で、他の方の症状が聞けて参考になった。
◆質疑応答
Q1:関節ではないリウマチはありますか?
A:関節や筋肉など運動にかかわる箇所に異常をきたすものをリウマチ性疾患と呼び、その中に関節リウマチがあります。まだはっきりとした原因が分かっていないものの、関節に炎症が起こり長く続くと関節が変形していきます。リウマチ性疾患の中には、軟骨がすり減ってくる変形性関節症がある。これは、炎症性ではないが一番多い疾患です。
Q2-1:家族が関節の近くが痛くて病院へ行くと、腱鞘炎といわれた。採血でもリウマチの心配はないと言われたが、数軒、病院を変えたらリウマチですと言われた。同じ検査をしているのに診断されたことが違うが、大きな違いは何か?
A:関節リウマチは関節に炎症があるかどうかが大事です。時間が経つにつれ様々な症状が出てくる可能性が高い。初期の症状は分かりにくいが、年数が経ってくるにつれ、はっきりとした関節の炎症が出て関節リウマチと診断されることもある。「後医は名医」という言葉もあります。現在関節リウマチと診断されているのであれば、関節リウマチの可能性があると思う。
Q2-2:腱鞘炎、関節リウマチどちらの可能性もあるということか?
A:話だけでは分からない。今受診している先生が、診察して関節リウマチと言われたのであればリウマチの可能性が高いと思う。
Q2-3:診断は難しいのでしょうか?
A:教科書通りにすんなり診断できるものもあれば、専門医が診てもなかなか診断がつかないものもある。
Q3:医師によって関節を動かすなという方と、動かさないと固まってしまうので動かした方が良いという方がいるがどちらが正しいのでしょうか?
A:病気の状態によって違うので、お話だけでは分からない。患者さんを診察して、動かした方が良いですと言う場合と、関節が固くなるので動かさない方が良いですと言う場合がある。
Q4:関節リウマチになり10年以上になる。生物的製剤を始めたら動くようになった。リハビリをどのようにしたらよいか?限度が分からない。
A:個々の問題になってくる。関節がどれぐらい固くなっているかにもよるので、病院を受診した時に相談した方がよい。
Q5:股関節の人工骨頭置換術後の運動制限はあるか?
A:日常生活レベルでの制限はない。15000歩ぐらい歩いている方もいるので歩くことは良いが、走ると体重の5~10倍の負荷が関節にかかったりするので走ることはおすすめしない。ゴルフや水泳、自転車に乗ることには問題ない。
Q6:上肢の人工骨頭置換術はどのようなものがあるか?
A:肩や肘、指の人工関節もある。股関節や膝は変形していると歩けないので治療が進んでいて、肘を人工関節にすることは長期にもつかが問題で適応になることが少ない。